いつも愛読しているThe Atlanticに、「ヨーロッパに比べアメリカの車社会化している9つの理由」という記事が載っていました。僕の生業のアメリカ不動産投資では、現在は「街中へ」の人の流れがおこっていて、僕の不動産投資も最近は、街中のロケーションの良いアパートに集中しています。しかしながら、車なしで生活できる場所は、NYやSF等の限られた都市内であることもどうしょうもない事実です。
この記事は、アメリカの車社会化の背景を、非常に簡潔にまとめてますので、背景の9つをメモ代わりに、箇条書きしておきます:
9 Reasons the U.S. Ended Up So Much More Car-Dependent Than Europe - Ralph Buehler - The Atlantic Cities http://bit.ly/1jQSZgP
まえがき:
- 1920年から60年代までは、ヨーロッパの都市プランナーにとって、アメリカの車を中心とした都市づくりは崇拝の的であったが、60年代には、歩行者、自転車、公共交通機関を中心とした街づくりに舵を切った。
- 現在では、ガソリン代高騰、最果ての郊外へのスプロール、交通渋滞の悪化で、この20年は、米の都市プランナーもヨーロッパの都市づくりを参考にするようになってきている。
- 2010年の調査では、米国人の外出の85%は車で、ヨーロッパの50-65%とは大きな差がついている。また、欧米ともに外出の30%は1マイルいないの近場であるが、米国人の70%は車で外出している(欧州では30%程度)。
1. モータリゼーションの大衆化が早かった:米では、1930年代には2世帯に1台の車普及率を達成した。
2. 高い道路完成度:車での移動を前提とした高度な道路の革新がアメリカでははやくから進行し、最先端の舗装、橋、トンネル、交差点、進行、高速道路、駐車システムが実現した。
3.車の維持費:アメリカのガソリン代はヨーロッパの半額程度だったり、購入時は保有の税金も安い。また、米国のガソリン税の殆どが、道路整備の予算として使われている。
4.インターステート高速道路システム:1950年代に、連邦政府は州をまたぐ高速道路建設資金の90%の補助を発表し、高速道路網の普及に力を入れた。この高速道路が郊外へのスプロールに貢献した。
5. 政府の補助:ガソリン税、登録費、有料道路料金等は、全米の道路の開発費や維持費の60-70%程度で、残りは、市郡州連邦レベルの税金で補填されている。
6.テクノロジーの進展:米国の車政策は、規制よりも、テクノロジーの革新に力をおいた。例としては、排気ガス対策として、ガソリンのフォーミュラを変えたり、触媒コンバーター導入、安全対策としてエアバックやシートベルトの導入。
7. 公共交通機関:米政府は公共交通機関への補助をほとんど行わず、過去に存在した私鉄や私バス等は1950年代には、ほとんどが潰れて消えてしまった。
8. 歩道や自転車優先道路:米の都市内では、歩道や自転車優先道路の導入は、最近までほとんど行われてこなかった。また、法律的にも、自動車運転側にやさしい。
9. ゾーニング:米国では住宅地への商店やビジネスの進出の規制は厳しく(ドイツでは医療、カフェ、商店、アパートなどは問題なし)、また、ゾーニングも地域毎に決定される(ドイツでは、ブロックごと)。
皮肉なことに、昨今は街中回帰、アパート回帰、歩ける街回帰、自転車専用レーン開発、等が米の都市づくりのメインテーマになってきていますが、背景は知ると、またまた味わい深いですね。
日本に関しては、地方では、大型SCや郊外一軒家指向象徴されるモータリゼーションまっしぐら、という感じですが、どうなるのですかね?
では、Happy Investing!!!