Quantcast
Channel: アメリカ/米国不動産投資日記
Viewing all 120 articles
Browse latest View live

シェールブーム盛り上がるコーパス・クリスティの経済

$
0
0
昨年から、僕のほうで投資を急増させているテキサス州コーパス・クリスティの経済のニュースをまとめて紹介します。アメリカで400近くの都市圏がありますが、コーパスの景気の良さは全米トップクラスです。

イーグルフォードシェールのコーパスへの経済効果 KRISTV bit.ly/17Pd168 Nueces郡:2012年は$8.5Bn・6699人の雇用、2022年には$19.8Bn・11,500人の雇用。隣接するSP郡には$647M、1,885職の経済効果。

2013年のコーパス・クリスティの雇用増加予測は398都市圏中19位 NG bit.ly/148rpjS 総雇用数が45万以下の中規模都市圏では第4位。

シェールオイルが先導するアメリカの製造業革命 WT bit.ly/15ZgJTS コーパス・クリスティンを中心とした南テキサスに、割安のオイルやガスを求め多くの製造業が進出。今後年収は6万~8万ドルと高収入職を35万創生。
シェール景気に湧く、テキサス州コーパスクリスティ ET bit.ly/18V9pMK 1) $20Bnを超える国内外企業の投資、2)LNG液化や精油の流通額が14%上昇予測、3)輸出用LNG液化施設への$10Bn投資、4)割安なエネルギー費を求める産業の誘致

シェールブームに湧くコーパス・クリスティ市、長期的に経済貢献産業を強化:製造業の誘致(TPCO製鉄)、LNG液化施設(Cheniere)、石油化学工場(Voestalpine)、石油関連製品ターミナル(Trafigura) bit.ly/13esKdw

コーパスへの大型投資まとめ bit.ly/16K2Efv 
  • オーストリアのVoestalpine社、$700Mの製鉄プラント建設。2016年完成し、当初は160の雇用を創出。
  • CheniereエネルギーはシェールガスのLNG液化プラント建設に$1.7Bnの投資。完成後は年13.5mtpaの天然ガスを液化し国内外へ輸出。建設に3000人の雇用。完成後は3-5万人の雇用効果
  • 中国TPCOは$1Bnの鋼管パイプ工場を建設開始。2000人の建設雇用と、完成後は初年度300人、2年目は600人の直接雇用。
  • 伊M&G Group、$1Bnのを化学工場建設。完成後には最低250人の直接雇用、10年間で$4.8Bnの経済効果。
シェールオイルの生産増で、コーパス・クリスティ港は大混雑 The Barrel bit.ly/1apPMzL 原油生産が90万バレルに達し、コーパス港の原油輸送量は12年1月ゼロ→13年5月34万バレルに急増。荷揚げ施設の拡大が急ピッチで行われている。

シェールオイル増産で、米タンカー需要に大変化 ロイター reut.rs/15ZdEDv イーグルフォード層から日産50万バレルのオイルがコーパス・クリスティ港に運ばれ、その7割がガルフ沿いの精油施設に運搬される。急増する需要に船舶会社はウハウハ。

米都市圏09年→11年の1人当りGDP伸び率 BEA 1.usa.gov/1aXAe4U 1ミッドランド20%、2オデッサ14%、3ハンフォード13%、4キャスパー12%、5SJ 9%。コーパスは6.9%の伸びで全米第13位。

リーマン・ショック後に人口が増えた米都市ランキング bit.ly/13bKkgV 1ニューオーリンズ28%、2チュラビスタ18%、3アーバイン、4シャーロット、5ベーカーズフィールド。僕の主要投資先のオースティンは10位、コーパス・クリスティは16位。

テキサス州コーパス・クリスティ港の輸入量は全米4位、総合貿易量で全米6位 bit.ly/14BfcWZ

2013年の総家賃収入の増加率予測は、テキサス州コーパス・クリスティが9.5%増加でトップ!Axiometrics調べ pic.twitter.com/hjulMHwCkR

シェールブームで米の輸送インフラ投資の大ブーム WSJ t.co/ne1TNIkizG 鉄道輸送や、ガスパイプラインのオイルへの変換に巨額の資金が投じられている。写真はテキサス州コーパス・クリスティ周辺の鉄道輸送基地風景


シェールオイル採掘ブームで、テキサス州のコーパスクリスティ港の原油輸送量は前年比81%増加 t.co/bJdKjN27 コーパスクリスティ港は何気に全米第5位の輸送量を誇る t.co/aidtngr2

テキサス交通局、コーパス・クリスティのハーバーブリッジの建て替え予算$310Mを承認 KRISTV bit.ly/13lM6fz 総額$700Mのプロジェクトは2017年に工事開始で、2020年に完了予定。これによって、クルーズ船や最大級タンカーの船がコーパス湾に進入可能に!

では、Happy Investing!!!

米航空会社再編における勝ち組・負け組都市

$
0
0
ご存知のとおりアメリカでは激しい航空会社の再編が進んでおり、この数年でデルタとノースウエストの合併、ユナイテッドとコンチネンタルの合併、そして、現在はアメリカンとUSエアーの吸収交渉が行われています。北米専門のディスカウント系航空会社を除くと、国内・国外路線を保有する総合航空会社はユナイテッド、デルタ、アメリカンの3社に集約されます。

そしてこの航空会社再編に、燃料高と不景気も加わり、米各都市の空港利便性やコストに大幅は変化をもたらしました。名門MIT(マサチューセッツ工科大学)のInternational Center for Air Transportationが、2007年から2012年の空港別コネクションの利便性の小規模空港(都市)へのインパクトのレポートを発表しましたので、紹介します。

下記が、空港別の総搭乗者数(Enplaned Pax)、接続利便性(ACQI)、ACQI増減、フライト数増減、客室数増減のデータです。
  • まず、フライト数や接続利便性が上がったのは、ユナイテッドのハブのSan Francisco空港とUSエアーのハブのシャーロット、洪水から復興したニューオリンズ空港位ですね。それ以外の空港は縮小基調です。
  • 航空会社の再編の影響をもろに受けたのは、シンシナティ64.40%減、メンフィス-40.60%減、ピッツバーグ39.70%減、等の中規模都市の空港で、デルタやUSエアーのハブ構想から外れた形です。これらの空港からの航空料金は場合によっては倍になっていると言われています。
  • 次に余波を受けたのは、大都市圏の第二・第三ティア空港です。上記の通りサンフランシスコ空港のフライト数は21%も増加しましたが、隣接するオークランド空港は37%減、サンノゼ空港は33%減です。LAでもLAXは7%減と微減でしたが、オンタリオ空港は49%減、バーバンク空港は25%減、オレンジカウンティ(John Wayne)空港も24%減となっています。これ以外も、プロビデンスはボストン・ローガンに、ミルウォーキーはシカゴオヘアにフライトを奪われた形ですね。
  • アメリカの主要な観光空港であるラスベガス・マッカラン空港やオーランド(ディズニーワールド)空港ののフライト数19%減は、金融危機後の米経済の不調の影響でしょうね。
イメージ 1

今後も、アメリカンとUSエアーの合併が完了すると、より一層の空港再編進むと思います。特にUSエアーのハブである、シャーロット、フェニックス、フィラデルフィア辺りにかなり影響が出るような気がします。そう考えると、アメリカの巨大企業の本社は、フライトの利便性が高い以下の都市に集約せざるおえないかもしれませんね。

米国内利便性:アトランタ;LA;ダラス;NYC;サンフランシスコ;デンバー;ヒューストン;マイアミ;フェニックス;ボストン;フィラデルフィア;シャーロット

国外との利便性を考えると以下の8都市しか選択の余地がなくなってくるかもしれませんね。

国外利便性:アトランタ;LA;ダラス;NYC;サンフランシスコ;デンバー;ヒューストン;マイアミ

隆盛な空港を持つ都市には、人材や情報が集まりますので、空港戦略でも都市間競争の重要な要素になるのは間違いないですね。

では、Happy Investing!!!

長生きしたければ、マンハッタンかサンフランシスコに住め!?

$
0
0
University of WashingtonのInstitute of Health Metrics and Evaluationが米国人の寿命について興味深い調査レポートを発表したので、紹介します。

下記は、1985年から2010年にかけて寿命の伸びた米の郡(County)のランキングです。

- 女性の寿命伸び率上位は、1位マンハッタン(NY郡)、3位ブルックリン(King郡)、4位ブロンクス、7位マリン郡、9位サンフランシスコ;
- 男性の寿命伸び率上位は、1位マンハッタン、2位サンフランシスコ、5位ブロンクス、6位ワシントンDC、7ハドソン郡(NJ)と都市部の寿命の伸びが顕著です。
背景的には以下の理由があります:

- 都市部が安全になり、殺人や暴行等にの発生率の大幅低下(⇒ニューヨーク市は米で一番安全?)
- エイズ等の都市型の病気の治療法が見つかった。
- 大都市部で大気汚染等が改善された。
- 大都市部には最先端の医療機関が揃っている。


米公共健康協会のレポートによると、肥満による医療費・早死・病欠損失=$180Bil、空気汚染による医療費・早死損失=$50Bil、交通事故損失=$180Bilにおよび、アメリカの車社会の隠れたリスクを理解できます。

日本でも、車社会地方などと、公共交通機関が充実する都市部と、健康面でも今後差がつくようになるっていくのでしょうね。

という事で、不動産投資は「歩ける場所」に行いましょう!

では、Happy Investing!!!

P.S. ちなみに、米の寿命の長い郡は下記の通りです。サンフランシスコ近辺は心身ともに健康な人が多いので、皆、長生きですね~。


デトロイト市財政破綻の本質的な問題とは?

$
0
0
7月18日にミシガン州デトロイト市が、連邦破産法9条を申請し、過去最大の自治体の財政破綻となりました。かなり色々な日本のメディアの見解が的外れだったので、僕の考えをまとめておきます。一言で言うと、負の歴史を精算する良い機会だとおもいます

まず、理解すべき背景は、デトロイト市と、デトロイト都市圏の違いです。デトロイト市人口は、1950年185万人→2000年95万人→2010年71万人と激減しています。しかしながら、デトロイト都市圏人口は430万人で1970年から横ばいです。何が起こったかというと、 1950年代から、アメリカの郊外へのスプロールトレンドにのって、職と中産階級の郊外への移住が起り、デトロイト都市圏ではそのトレンドに変化がないからです(NYやサンフランシスコでは都心部に裕福層増えています)。逆にデトロイト都市圏の経済のファンダメンタルズは上り調子で、雇用も家計の収支も2010年以降上昇しています。よって、デトロイト市と、デトロイト都市圏の違いはまず認識する事が重要です

下記は、デトロイト都市圏の年収別の地図です。赤が高世帯年収⇔灰色が中世帯年収⇔青が低世帯年収です。デトロイト都市圏の中心のデトロイト市が青=低所得者ばかり住んでいる状態になっており、貧困世帯比率は1/3を超えると言われています。



低所得者層ばかり住んでいたり、空き家が増加して犯罪の温床になったりで、デトロイト市内の犯罪率
は全米最悪です、それがまた中間層が市内を避ける傾向に拍車をかけています。

このように、デトロイト市は、1)人口激減、2)住んでいるのは低所得者層ばかり、3)不動産価格低下(固定資産税減)、4)連邦政府からの補助金カット等から、税収が激減しました。

税収減だけなら、市民サービスのレベルを落せばなんとかなるのですが、デトロイト市の財政を圧迫した最大の要因は、退職したデトロイト市職員や警察官、消防員の年金と健康保険等の福利厚生の支払いです。デトロイト市は、$18Bn(約1兆8000億円)の長期負債のうち、$3.5Bnを退職者年金から借りています(加えて$6.5Bnを退職者医療保険から借入)。下記のチャートのオレンジ棒は市の退職者年金がデトロイト市に貸し付けている金額で、赤棒はその市場価値です。現段階では、現在の貸付額$3.5Bnですが、その価値$2Bnしかありません。


下記は、2011年11月のNYT紙のチャートですが、デトロイト市は、当時の警察官や消防員の総数の倍以上の退職者を抱えており、年金の$275Mの支払い義務に対し、デトロイト市の貢献額は$50Mしかありません(当時は、預かり資産を上手く投資して倍増させることで問題解決を図ろうとしていました)。別の言い方をすると、膨れ上がる退職者への年金や医療保険の支払い義務を、縮小するデトロイトの歳入状況では、賄えないということなのです。




話は変わりますが、2011年頃に全米で吹き荒れた地方公務員労組と地方政府の争議問題を覚えてますか?

- 全米各地に広がる公務員労組と政府の戦い FT紙 http://bit.ly/11o3nCp労組:民間より低い賃金を受け入れている→州政府:労働時間も短いし、手厚い確定給付型年金(退職時給与の7割程度保証)もあるだろ!背景:組合は安い賃金と引き換えに手厚い諸手当を手に入れた。

- サンフランシスコ市、$4.5Bの年金支払い積立不足 http://bit.ly/ijqUCWウイスコンシンじゃないけど、公務員問題の本質は給与でなく、手厚い確定給付型年金。組合側は給与では譲歩、確定給付型年金は死守。この調査の資金提供はVCのMichael Moritz。

- 労組が強く高齢化のNY州も州民一人あたりの公務員年金への支払は00年から07年で515%アップ($79→$485-米平均は$240) http://t.co/ROTWS1GI

- 破産に近づくデトロイト:逃げ場なし FT紙 http://bit.ly/13eEHgY

- 米公務員年金に関するオモシロ数字http://t.co/muFNuLRK年間年金支払い額は3万ドル弱(社会保証費支払いは1.4万ドル);24年勤続で満額支払い;年金基金への支払い総額は3.5万ドル程度;年金に加えて社会保障費も受け取れる。年$3万ドルの支払いを受けるのに、過去の積立総額が$3.5万ドルしかない点。これって年率ン十%で回さないと達成できない。

- RI州の確定拠出年金改革プラン http://t.co/Hmst35uM背景:$7Bnの積立不足。年3%のインフレ調整を停止;退職年齢を62→67歳に引き上げ;新規採用公務員は積立額に応じた年金支払プランに移行。

等などです。

このように、米の地方公務員問題の本質は、民間からは確定給付型年金はほぼ消えたが、公務員には根強く残っているという点で、下記のチャートの通り
支払い額は、2000年→2008年で$30B弱から$60Bn強に倍増しているのです。 


そして、上記ではサンフランシスコ市やニューヨーク州の財政問題もあげましたが、今では大した問題になっていません。しかしながらデトロイト市の財政は破綻しました。違いはサンフランシスコ市やニューヨーク州は、テクノロジーや金融等の金払いの良い成長産業があり(=法人税収!)、それらの産業の従事者は稼ぎも良く(=所得税収入!)、また富裕層も多く住んでいます(=キャピタルゲイン税収入)。よって、景気がよくなると、税収がアップして、財政問題を解決してくれます。一時期、財政破綻が話題になっていたカリフォルニア州も、テクノロジー産業の好景気やIPOで着実に復活しています。

このように、アメリカの地方政府は、「退職者への確定貯蓄年金や医療保険の支払いが確実に増え続ける」という足かせを負ってますので、「人口を増やす」、もしくは、「税金をちゃんと払ってくれる上位25%層の増やす」かで、税収増を続けて行かなければならないのです。よって、「市内に富裕層が増えて、中間層や低所得層を追い出している」と批判されるNYCやサンフランシスコは、市政府としては正しいことをしているのです。別の言い方をすると、ちきりんさんブログ記事にもありましたが、経済成長しないという事は、高齢者(退職者)や低所得者等の弱者を切り捨てざるおえない社会を意味します。

デトロイト市の今後ですが、今回の破産における交渉で、かなりの額の固定負債支払い(退職者への年金・医療保険支払い)を減らすことができます。よって、新生GMやFordがV字復活してように、身軽になって現市民にはプラス面のほうが多いんじゃないかな?デトロイト市も、負債の支払いを止めたので、市民サービスは向上するって公言してます。警察の人員が増えれば、安全なり、安い不動産を欲して、人口流入も増えるかも知れませんしね。今後、税収が一気に増加する可能性が低い地域の自治体は、破産して、過去の支払い義務を一気に整理して、出直すパターンが増えるんでないですかね?

最後に、日本に対する教訓をさらっと書いておきます。アメリカの公務員は1980年以降、人員削減や給与の低下などを受け入れて来ましたが、最後の砦の確定貯蓄年金や退職後の健康保険は守り続けてきました。現在の最大の問題は、最後の砦が切り崩されつつあるという点です。日本の場合は、給与削減が現在始まった段階で、人員削減はまだ手付かず(新卒採用抑制はしてますが)で、確定貯蓄年金に関しては、大した議論にもなっていません。今後、10年くらいで、人口減や税収減が顕著になり、人員→退職者年金・福利厚生にメスを入れる事になるのでしょうね。日本航空の退職者への支払いヘアカット等が、一つのベンチマークになるのかな?

では、Happy Investing!!!

P.S. 下記は、マッキンゼーが作成した、1978年から2010年にかけて米国都市圏のGDP推移です。勝ち組と負け組都市圏の傾向がかなりわかりやすく表記されてるとおもいます。サンフランシスコはサンノゼと合算して$410Bnの全米第4の都市圏と認識するとよいとおもいます。


収入の「質」を、松浦「富裕層重税」発言から考える。

$
0
0
エイベックスホールディングの松浦社長の「富裕層増税で日本から富裕層が消える」は、話題読んでますね。遂にヤフトピのにまで昇格してしまいましたw 松浦氏の発言とそれに関連するニュースは以下の通りです。


この手の議論になると、フローの収入である「所得税」とストックの収入であるキャピタルゲインの税率、資産持ちの「富裕層」と高額の給与を得る「高額所得者層」の定義がごっちゃになりがちなので、整理して考える事が必要です。
 
まず、「富裕層」の定義ですが、世界的な流れでは、フローの収入ではなく、保有資産で富裕層を規定います。クレディ・スイスBCGCap GeminiKnight Frank等が富裕層レポートを毎年発行していますが、これら会社の富裕層はHNWI(High Net Worth Individual)と規定され、最低で流動性のある資産を1000万ドル(10億円程度)保有している事が条件とされています。逆な言い方をすると、世界的な観点からみると、外資系金融に勤務し、年収1億円を稼いでいても、資産がなければ「富裕層」とは認定されてません。

なぜ、富裕層と高額所得層を分けるのが必要かというと、フローの収入に対する所得税率と、ストック(資産)に対するキャピタルゲイン税率は、まったく異なるからです。

いわゆる先進国の所得税率はどの国も累進課税制度をとっていますが、どの国も地方税や州税を含めると最高税率は50%前後ですね。また、給与所得者は一番課税をしやく、政治力もないので、財政赤字に悩む先進国政府の殆どの国で、税率アップの動いています。日本も最高55%まであがりますし、仏ホランド政権は税率75%までの引き上げを検討しています。アメリカでも年収25万ドル以上の税率は2013年1月をもって上昇しました。

所得税に加え、給与所得者には社会保障税がどの国でも5~10%近くかかり、これは給与収入に一律にかかります(課税所得の上限を設けている国は多いです)。

しかしながら、富裕層の主要収入であるキャピタル・ゲイン税に対しては、各国税率を低くおさえています。アメリカでは、不動産も株式も、保有1年以上の「長期投資」のキャピタルゲイン税率や配当税率は20%程度と所得税より低く、この収入には社会保障納税の義務はありません。ヨーロッパの先進国ではこれらの税率が25%前後の国がおおいようです。日本の場合は、現在優遇税制が適応されていますので、株のキャピタルゲイン(短期売買含む)や配当税率が10%と、先進国の中では最低の資産課税率といえます。

このように、資産収入に対する税率は所得税率より、かなり低く設定されて、各国政治力のある富裕層を優遇しています。また資産収入は、減価償却を使った節税効果もあったり、買い替え時に非課税特例等もあったりします。このような背景から、年収$40M(40億円)の收入(殆どが不労収入)の大富豪ウォーレン・バフェット氏の実効税率は17.6%、彼のスタッフ達(ほぼ給与收入)の実効税率の平均は36%という、富裕層への税率が低くなる仕組みができています。給与収入と資産からの収入は、収入の質がまったく異なるのです。僕が会社員を辞めて、資産投資にシフトしたのも、収入の質の違いに気付いたからです。

これは「金持ち父さん」の本にも書かれていた非常に需要なポイントで、ラットレースから抜け出し、金銭的な成功を得たければ、フローの収入に加え、ストック資産と収入を増やすのが必須です。

さて、松浦氏の収入具合を分析してみましょう。まず、松浦氏は、エイベックスの持ち株の価値が90億円位保有しているので、松浦さん、あなたは完全に「富裕層」です!収入の内訳は、上記のニュースの教科書の記事に細かく書かれていますが、以下の通りです。
  • エイベックスHDからの役員報酬が4億5000万円(税率50%位でしょうね)。
  • 松浦氏資産管理会社への配当収入は1億1275万円(法人税率40%位、しかし経費使えるから、実質税率30%位?)
  • 松浦氏個人への配当収入は7468万円(税率10%)
  • 総収入約6億3744万円
  • 納税額は約2億6629万円
  • 実効税率は41.77%
う~ん。日本在住の皆さん、実効税率42%・約2億6629万円も税金払ってくださってる松浦氏に感謝しましょうね。松浦さんが、日本の税率の高さに文句言いたくなるのは、わかりますね。でも、松浦さんの場合は創業者+オーナー社長で、その権限を維持するために個人と資産管理会社を通してエイベックス株式の7.38%も保有しているので、税率面や資産分散面からは、ちょっと片手落ちの資産運用となりますかね。資産会社保有株式を53億円程度保有しているので、キャピタルゲイン税が10%と低いうちに売却して、エイベックスの2.11%より高い配当利回りの会社の株でも買えば、税率は10%まで落とせます。

しかし、エイベックスの持ち株比率が低下すると、松浦氏CEOの地位と役員報酬の4億5000万が危うくなりますね。という事なんで、その辺のジレンマを松浦氏は抱えていて、それがFacebookへの「富裕層増税批判」に繋がってるのかもしれませんね。

ということで、「富裕層」になるためには、収入の質を理解しよう、という書き込みでした。

では、Happy Investing!!!

2020年に向け、東京には真のグローバル都市を目指してほしい。 祝、東京オリンピック!

$
0
0
東京の2020年のオリンピックホストシティ決定、おめでとうございます!「失われた20年」に代表される日本没落論が、蔓延していたので、非常にエキサイティングなニュースですね(森元首相本当に嬉しそう↓)。

東京は間違いなく「世界都市」の一つではあるのですが、日本の経済的地位の低下に伴い、東京のプレゼンスも低下傾向です。せっかくですから、このオリンピックを契機に、東京をロンドン・ニューヨークと競り合えるようなグローバル都市として、都市計画を政府や東京都にお願いしたいと思います。国予算での東京への集中的な投資を、地方からの反対を押し切って進める事ができる最後の機会だと思います。

まず、東京(というよりも東京都市圏)の立ち位置を検証してみましょう。

現在

- まず人口ですが、東京都市圏は3724万人で、ダントツで世界最大の都市圏で、1950年代からその地位を維持しています。 http://bit.ly/LkqO87
- 都市圏GDP的にも、東京都市圏は$1479Bnと世界最大です。 http://bit.ly/bEjWIi
- しかしながら、一人あたりGDPは$4.1万ドルで、NYの$7.3万ドル、ロンドンの$6.6万ドルと比べると見劣りします。 http://bit.ly/bEjWIi

将来

- 2030年にはジャカルタ都市圏の人口が3837万人に達し、東京は第二位に陥落します。また、マニラ、ムンバイ、デリー都市圏の人口が3000万人を超えます。 http://bit.ly/a9xWjh
- 2025年の東京都市圏のGDP($1981Bn)は世界一位を維持しますが、NY($1915Bn)と肉薄します。 http://bit.ly/b8vBdO
- 一人あたりGDPも、NY(9.3万ドル)、ロンドン(9.5万ドル)と比べると5.4万ドルと6割程度と低迷します。 http://bit.ly/b8vBdO

下記は、マッキンゼー研究所の2025年の世界の都市圏経済の予測ですが、経済成長や一人あたりGDP面での東京の地盤沈下が明らかです。
イメージ 1

次に世界の大都市の各種Global City Rankingをみてみましょう。

- 世界都市のトップ2はニューヨークとロンドンというのか下記から明らかですね。
- 東京の立ち位置的には、パリと第三都市を争う感じでしたが、今では、シンガポールと香港に抜かれつつあります。

イメージ 2

以上、東京はじわじわ地盤沈下しているわけですが、1)日本という巨大市場の内需の低成長と、2)ビジネスや文化的なリーダーシップはわけて考えるべきと思っています。

ついこの間までは、日本のGDPは米国に次ぐ世界第二位で、巨大な内需を当てにして、世界中の企業が日本市場に入ってきました。また、アジア内で、ダントツの市場規模を誇っていたので、多国籍企業のアジア拠点としても重要なポジションを担ってきました。僕は、外資系広告最大手のマッキャンエリクソンや、ジーンズ最大手のリーバイ・ストラウス社、また米ヤフーで、アジア向けのマーケティング戦略などを担当しました。これらの会社では、2000年前半までは、日本市場の売上高は米国に次ぐ規模で、アジア市場の半分以上を占めていました。しかしながら、2000年代の中国や東南アジアの新興国の高経済成長で、多くの多国籍企業は、低成長の日本市場はメンテナンスモード(刈り取りモード)に入り、新規投資を新興国に重点的に振り分けてきました。その流れで、アジアの拠点も香港やシンガポールに移っていきました。実際、経済産業省の2010年調査では、外資企業アジア・オセアニア地域における地域統括拠点は、シンガポール24%>中国>23%>香港19%>台湾7%>韓国7%>日6%>豪5%なっています。グローバル都市としての東京の地位の地盤沈下も、シンガポール、香港、シドニー、北京、上海の勃興に、足を引っ張られている形ですね。

少子化や高齢人口増で日本市場の低成長は、避けがたいとは思いますが、2)のビジネスや文化的なリーダーシップについては、東京は最、強化する余地があると思います。そのためには、「今までは巨大な市場を背景に黙っていても海外からの投資が集まった」、という恵まれた環境にあぐらをかくをやめ、シンガポール、香港、シドニー、北京、上海との競争に勝ち抜き、東京を「アジアで最高のグローバル都市」に引き上げ、ロンドンとニューヨークと同格の三極ポジションを獲得することが、必須と考えます。

これは過去のブログ記事での分析ですが、東京都市圏は日本のGDPの37%、人口の33%を占めているのですが、総歳入(税収)受取りは31%足らずです。これは、日本政府が大都市圏の富を地方に補填してきた悪しき伝統の典型だと思います。そのため、日本の低成長化に伴い、東京の世界的な地位も下げる事になってしまいました。日本のGDPが低成長が前提ならば、メリハリを付けて、東京を中心とした、名古屋と大阪の三大都市圏に、国の予算を集中投下して、大都市圏では少なくとも世界的な競争力を強化することが必要でしょう。東京のオリンピック開催は、大義名分をもって、東京へのインフラ投資を、政府として進める事ができるので、今までの地方へのバラマキの悪しき伝統を断つ良い機会かと思います。

そして、安倍政権(アベノミクス)の第三の矢である構造改革を進め、1)若年層に希望の持てる経済や雇用環境、2)世界中のビジネスや人材が集まるビジネスフレンドリーな都市、3)起業のしやすい環境、等をドンドン進めていってもらいたいと思います。下記はPWCの世界都市分析チャートですが、東京の弱みは、人材、ビジネスのしやすさ・コスト、自然環境、経済の力強さ、と指摘しており、ある意味ドンピシャリだと思いますので、課題は明らかですね。
イメージ 3

以上、これからは、国と並行して、都市間の競争の時代です。東京は、2020年東京オリンピック開催都市という素晴らしい大義名分をうまく利用して、ロンドンとニューヨークに並ぶ世界都市に、仕込んでいってもらいたいと思います。

では、Happy Investing!!!

P.S. 世界都市分析に興味のある方は、下記のリンクを参照ください。
- Hot Spot 2025 Citi/Economisthttp://citi.us/17gSDYr
- Global Power CitiesMori Institutehttp://bit.ly/xhG6xu
- City of OpportunitiesPWC/NYChttp://pwc.to/UW1BBz
- Global City IndexAT Kerneyhttp://bit.ly/18EaMOK
- KF Wealth ReportKnight Frankhttp://bit.ly/X5n2Sz
- Global Financial Center IndexZenhttp://bit.ly/17K8POH

米スマホ買い替えプランの不都合な真実

$
0
0
2013年9月20日、iPhone 5Sと5Cが発売されましたね。もう、買い換えた方や、買い替え検討中の方も多いと思います。

米国では、iPhoneやサムソン等の携帯が、一年毎に大型アップグレードを迎える事が多くなりました。常に最新の機種を保有していたい層に向けて、モバイルキャリア各社が20ヶ月から、24ヶ月の分割払いで、その機種を下取りに出すことで、12ヶ月毎に新機種にアップグレードできるプログラムを発表しています。

僕はAT&Tのユーザーですので、この際、通常のアップグレードモデルとNEXTを、スマホ本体への支出と買い替えに伴う3年間の保有コストで計算してみました(売上税等の税金は計算していません)。下記はiPhone 5Sの16GBを新規契約して、今後36ヶ月に12ヶ月毎に新製品に買い換えるシナリオです。右のコラムの通常の買い方(新規に2年契約→12ヶ月後本体を契約なしで定価で購入し、古い機器を売却→12ヶ月後に本体を2年契約で購入し、古い機器を売却→12ヶ月後に携帯契約解除)のほうが、Next(契約縛りなし分割売買、12ヶ月毎買い替え)よりも半額程度の$691で済みますね。

イメージ 1

同様の比較を、iPhone 5S 64GBで行っても、NEXT$1530に対し、通常2年契約$871と、圧倒的に通常契約がオトクです。

イメージ 2

この比較をみると、AT&T NEXTやVerizon EDGEは、「通常の2年契約だと、2年に一度しか機器のアップグレードができない」、「契約中に新規機器の買い替えで、定価を払うのは嫌だ」という、ユーザーの無知や心理的な弱みにつけこんだプログラムというのが、明白ですね。実際、テック系ニュースサイトのThe Vergeは、「AT&T NEXTは巨大なイカサマ」という記事を書いています。

AT&T's Next phone upgrade plans are a huge ripoff | The Verge http://bit.ly/1gME8hg

契約中の買い替えで、現金で本体を買い換える資金力があり、GazelleやAmazon等のスマホ買い取りサイトで下取ってもらうのが面倒でない方は、AT&TやVerizonでの分割プランは避けたほうがいいでしょうね。

さて、昨日ツイートしたのですが、ソフトバンクに買収された、米モバイル第3位のSprintのOneUpというプランは、かなりのインパクのあるプログラムだとおもいます。なんと、月額$65で通話、データ、SMSが使い放題です(そのかわり、24ヶ月の契約が必要)。

もともと、分割払いのプログラムを仕掛けたのは、米携帯第4位のT-Mobileで、ネットワークはAT&TやVerizonに比べると悪いが、データ、通話、SMS使い放題月額$70が売りで、それなりの評価を得ています。Sprint OneUpはT-Mobileよりも通信環境の良いSprintが、T-Mobileよりも割安の月額$65での提供で、AT&TやVerizonの同等のプランより月額$45~$60位安い、というインパクトです。

Sprint OneUpを契約し、12ヶ月毎に新規のiPhone 5S 16GB同等機器に買い換える場合の通信料含めた36ヶ月保有コストを計算してみると$3340になります(下記参照)。AT&Tで毎月$100の通信料を払うユーザーの$3991よりも15%程度オトクになりますね。でも、AT&Tの平均的なユーザーのARPU$65と比較すると、OneUpは割高になります。よって、通話、データ、SMSを24/7繋がっていたいパワーユーザーには、有効なプランなんでしょうね。特にAT&TやVerizonでは、データ使い放題プランはもうオファーしていないので、ある意味、比較しようがないですからねw

イメージ 3

その他、今回、もろもろのリサーチをして、気付いた不都合な真実は以下の通りです:
  • iPhone 5の下取り価格は、16GBが$300位、64GBが$340位で、新製品時の価格差が$200もある。下取り製品の多くは新興国に流れるので、エントリー機器の16GBの需要のほうが多いんでしょうね。実際、アップルも、大容量ほど、高マージンの価格設定の影響もあるんでしょうね。
  • 多分、一番オトクなのが、iPhone 16GBを2年契約で購入し、2年毎にアップグレードするパターンですね。2年落ちの16GBの下取り価格は$200強なので、製品のアップグレードコストはほぼゼロになります。
  • 契約中のキャリアへのキャンセル料金は、AT&Tの場合は、$320から毎月$10を引いた額なので、13ヶ月目でのキャンセル料は$200程度。キャンセル料払って、別キャリアで2年契約で$200で新iPhoneを手に入れるほうが、割安かもしれない。
こう考えると、常に最新型や大容量ストレージを持っていたいユーザーが、一番吹っかけられるが、明らかだな~。煩悩を抑える努力をしましょうねw

国より都市圏の時代? - 米各都市圏の成長率

$
0
0
アメリカは広大な国土を持ちますが、人口の84%、生産額の91%は都市部に集中しています。別の言い方をすると、広大の国土の10%程度の土地から、9割のGDPを稼いでいるという、都市化が進んだ国家です。また、2040年までに、米人口の2/3は23都市圏に集中し、その都市圏も10のメガリージョンに集積されるとも予測されています。また、米国最大のNY都市圏のGMPはメキシコやカナダと同規模という巨大さです。

さて、米政府統計局が、2012年のアメリカの各都市圏のGMP - Gross Metropolitan Product(圏内総生産)を発表しましたので紹介します。

まず、2012年の上位25都市圏を御覧ください。各都市圏のGMP、成長率、その都市圏と同等の経済規模の国がチェックできます。

- 上位都市圏は、NYはメキシコ、LAはスイス、シカゴはポーランド、ワシントンDCは南アフリカ、ヒューストンはベネズエラと同等の巨大さです。
- また、成長率に関しても、上位のIT景気に湧くサンフランシスコ7.4%、エネルギー景気に湧くヒューストンの5.3%等は、米国全体の2.5%よりかなり高い新興国並の成長率を達成しているのが確認できるとおもいます。
- しかし、製造業失速気味のセントルイスやフィラデルフィアでは1%台の低成長率と、都市圏格差が明らかですね。
イメージ 1


次に、全米380都市圏で、GMPの伸びが高かった上位25都市圏をチェックしてみます。

- 基本的に気候が温暖なサンベルト地域の中小都市圏が多いですが、ここでも、全米10位内の経済規模のIT景気に湧くサンフランシスコ7.4%、エネルギー景気に湧くヒューストン5.3%の伸び率の高さが際立ちますね。
- ここで目立つのは、エネルギー景気に湧く都市圏が、上位独占している点ですね。TX州のミッドランド、オデッサ、ビクトリア、コーパス・クリスティ、ND州のビスマルク、ファーゴ、LA州ニューオーリンズ、CA州ベーカーズフィールド等の急成長は、シェールガス・オイルブームの影響を相当受けてるでしょうね。
イメージ 2

詳細はここでは割愛しますが、380都市圏中70都市圏は、マイナス成長だったという事実も重要だとおもいます。「アメリカ」をざっくり一つで見るより、都市圏や州の経済を理解すること無しには、アメリカを理解することもできないと思っています。

以上、不動産投資をするうえで、投資先都市圏の選定は最重要ポイントですので、ご活用ください。

では、Happy Investing!!!

P.S. 米統計局発表データや、380都市圏の成長率をエクセルでまとめたものは、こちらに貼り付けておきます。 

米Gen Y世代と住宅市場

$
0
0
外国株ひろばMarket Hackの広瀬さんが、ミレニアル世代(Gen Y層)の台頭と、住宅市場に関して興味深い書き込みをしておりました。僕もこの世代の台頭や、米国の住宅需要の急変を予測し、過去の5年間は「ロケーションの良い街中のアパート」への投資に切り替えてきました。勝手知ったる分野なので、いくつか追加データで僕の見解を述べようと思います。

ミレニアル世代と住宅市場 住宅着工件数は昔の水準には戻らない Market Hack http://bit.ly/1aDRGYF

まず「ミレニアル世代」の説明と傾向は以下の通りです:



よって、広瀬さんいわく、「僕の考えでは回復途上にある住宅着工件数は、とうぶんリーマンショック前の水準までには回復できないと思います。」となります。

ここからは、僕の見解です。まずアメリカの賃貸世帯数は、2010年3771万から、2015年にかけて820万世帯の増加し4592世帯に増加予測です。 http://bit.ly/MWNNWf

そして、その820万世帯の内訳ですが:

- 一軒家に住む賃貸世帯は450万世帯増加する予測ですが、うち300万世帯は差し押さえ等で持ち家を失った世帯です。新規の一軒家に移り住む需要は、Gen Y世代を中心として新規形成家計が40万程度、アパートからの移動110万世帯、計150万世帯に限定されます。

- アパート等の集合住宅には370万世帯世帯増加で、そのうちGen Yを中心とした新規世帯390万の貢献です(+持ち家を失った世帯90万、一軒家への移動110万減)。

と、街中に位置する事の多いアパートへの新規需要が、郊外に位置する事の多い一軒家より高まってる事が明らかですね。


別の調査でも、米賃貸人口は08年→15年で600万世帯増加予測となっており、 http://t.co/Qq8vl2JF世帯構成で増えているのは、シングルマザー30%+>独身男性+21%>シングルダッド+14%>独身女性+13%>ルームメイト男女+9%>こなしカップル+4%です。郊外の一軒家より街中のアパートが「核家族」の需要が強いのは明らかですね。

また、Gen Y世代は、日本や欧州と同様に「失われた世代」と呼ばれており、雇用状況非常に厳しいです。

米25歳以下の失業率は15.6%と高止まり;正規雇用率は50%程度;中間給与は07年より5%減;12%は最低賃金以下。2013年9月WSJ紙

アメリカではガソリンや保険料が高騰し、実質的な車の維持費は年$5000とか$6000と言われていますので、金銭的に車を持てないというのが、街中居住指向の一番の理由かと思います。


このようにGen Y層を中心とした、新規世帯の増加と、賃貸需要増で、米のアパートの家賃の上昇と空室率の低下は止まりません。 http://bit.ly/sdFYVO

不動産デベロッパーも上記トレンドをしっかり察して調整しています。06年ピーク時は180万戸新築供給があり、内訳は一軒家147万戸、集合住宅34万戸で、一軒家比率は81%でした。下記は、NAHBの新築内訳調査ですが、一軒家建造数は直近の2013年8月データで63万戸程度で、一軒家比率は70%まで下がり、集合住宅比率が30%程度まで上昇しています。一軒家の新築は増加傾向ではありますが、広瀬さんの指摘する通り、年150万戸まで回復することは、僕も考えられないと思います。

雇用社側でも、Gen Y層に魅力のある職場を提供するために、郊外からダウンタウンへの職場の移動が急ピッチで進んでいます。

というわけで、Gen Y層(ミレニアル世代)は、今後のアメリカの消費や不動産の傾向について、大きなインパクトを与えるのは確実なので、色々コメントしてみました。

では、Happy Investing!!!

P.S. Gen Y世代に関するつぶやきは以下の通りです。

Gen Y層の買い物や娯楽についての調査 ULI http://bit.ly/12AjwnE

米世代別の住宅、コミュニティ、公共交通嗜好の分析・調査 ULI http://bit.ly/IGEV8L Gen Y、Gen X、Boomer等の世代別の傾向調査。

若くて活きが良いGen Y層の従業員を雇用するために、米大企業はダウンタウンにオフィスを移動する WSJ http://on.wsj.com/1iEdvBc 職場の郊外化が進んでいたシカゴで、モトローラ、ユナイテッド航空、ヒルシャイア等の大企業が街中へ職場を移動中。

米ティーンの車離れ WSJ http://on.wsj.com/1ckcDyI 高校3年生の自動車免許保有率は1996年85%→2012年73%。最大の理由はティーンの失業率の高騰(18%)=車保有が経済的に無理。

ボストン市、新規開発集合住宅への最低駐車場数を緩和へ BG http://b.globe.com/12P1DT3 以前は1ユニット=1駐車場から、0.75位まで緩和。背景、人口増加は20-35歳のGenY層が中心で、彼らの58%は公共交通期間で通勤する。

若者の車離れ米国編、、、、⇒米新車購入に占める55歳以上比率は08年33%→13年40%。18~35歳は14%→12%。http://on.wsj.com/1dmXnPw

米都市圏、都心部、副都心、郊外の雇用増減 ブルッキングス http://bit.ly/18qONg9 08年金融危機は伸び率が一番高かった郊外の雇用を鈍化させた。ダウンタウンの雇用は07年から下げ止まり。←街中の強み?

Generation Y世代のライフスタイル調査 ULI http://bit.ly/12AjwnE 調査対象である18-35歳の24%が親と同居。収入が少なすぎて、独立出来ないのが理由だと思うが、この層のスタートダッシュの遅れが、将来の賃貸増につながる予感。

GenY世代は、米国の不動産のあり方を変えるか? WSJ http://on.wsj.com/1095BoS 現段階での賃貸や街中居住指向は確かなのだが、家庭を持ち、子育てをはじめるとどうなる?個人的な意見としては、格差の広がりで、結婚出来ないシングル層が増加→街中賃貸需要大。

先進国車離れエコノミスト誌記事 米英加仏韓等で若年層の免許所得年齢が上昇中。http://t.co/pFtODoI2 独若年層世帯の非車保有率は98年20%→28%。

続・先進国車離れ http://t.co/pFtODoI2 理由:若年層の高失業率と所得低迷で、車維持が経済的に難しい。かつては車の保有が世界との繋がりや自立を意味していたが、昨今の若者はインターネットやSNSが世界繋がりを見出す。

続・先進国車離れ http://t.co/pFtODoI2 カーシェアリング普及率が若年層ほど高くなる。その理由の一つとして、気分によって乗る車を替える楽しみ。また、若年層程車を「移動の道具」として捉える傾向。

続・先進国車離れ http://t.co/pFtODoI2 オックスフォード大調査では、20代後半での運転免許を取得の生涯走行距離は、10代後半での免許取得より20-30%少なくなる。

続・先進国車離れ、都市化の影響
http://t.co/pFtODoI2 米国で人口300万以上の都市圏に住む世帯の非車保有率は13%、農村部は6%。ロンドンでは非車保有率は1992年より上昇中。

続・先進国車離れ、公共交通機関利用率増加 http://t.co/pFtODoI2 OCED参加国での鉄道対道路の予算比率は15%→23%に増加。年収7万ドル以上世帯の公共交通機関利用率は01年→09年で100%上昇。

続・先進国車離れ、「スプロールの壁」
http://t.co/pFtODoI2 郊外へスプロースする都市開発は、渋滞増加やガソリン高騰で機能しなくなった。米上位51都市圏では都市部人口の伸びが、郊外の伸びを超えた。

Venture Beatのインフォグラフィックスによると、エンジニア雇用の60%がサンフランシスコ市内らしい。時代は街中! http://bit.ly/YdSUVP

ミレニアム(GenY)世代は、失われた世代か? http://bit.ly/13iTPIk 20代にリーマン・ショックに直撃。80年代と比べ、車の購入における21-34歳の比率は38%→27%、住宅ローンは半減。衣服や食は、過去よりも安く、スマホで何でもできる世代でもある。

100年ぶりに、都市部の人口増加が郊外を超え AP http://t.co/dRyA7M6S 米51大都市圏中33都市圏で都市部の人口増加が郊外を上回る。背景:ガゾリン高騰;若年層の車離れ;エコ指向;仕事のオプションが多い;短距離通勤指向。

『バロンズ』の巻頭特集はミレニアル世代 MarketHack http://bit.ly/Y4qb8M GenYとも呼ばれてます。現在18歳から37歳で、8,600万人で、米人口の27%を占める。

Gen Y層にとっては、部屋の広さより交通の便利さと買い物のしやすさが重要 HW http://t.co/3sV4Ji0b 6割のGen Y層は小さくてもよいので「ひとり暮らし」したい。

米アパート需要が上がる背景⇒米Gen Y層の失業率低下中 HW http://t.co/lYlp5NLp 大卒25-34歳の失業率は7.7%まで下落。若年層の雇用率もこの1年で73.9%→76.6%まで上昇。

NYやSF市内等、街中にテック起業が集中する訳 WSJ/フロリダ氏 http://t.co/Vxu6OptQ 理由:若者は歩ける都市に住みたい;ネット起業に大スペース不必要;技術の応用は他産業と隣接が有利;デザイン人材は大都市に集中;

テック起業は街中!⇒ツイッターがシスコ中心部に本社を移転した本当の理由 クーリエ誌 http://t.co/eVaRVAyz 「シスコ」という表現は使ってもらいたくなかった、、、

SF市内のハイテク雇用は2000年の34,000人超え LAT http://t.co/kLh5XoX Twitter、Zynga、Salesforceに加え、多数のネット起業が貢献。アパート空室率は1%以下、SOMA地区では年賃料が30%アップ。GenY層の街中指向

起業は街中!ピンタレスト、SFのSOMA地区に本社オフィスを引越し! http://t.co/DtWZRggT やはり消費者系ネット企業はSFの街中に位置したほうが人材もマーケティング的にも好ましい。Palo Altoより家賃も安い

米GenY層はV-8より4Gが好み?BBG http://t.co/w1kie9nn 18-34歳の車購入貢献度は07年17%→12年11%まで下落。高失業率と低所得に加え、年$3000のテクノロジー関連支出で、車離れ。

「アメリカン・ドリーム第二章」 NYT http://t.co/iH9hCIza スプロールの果ての郊外の一軒家購入がアメリカン・ドリームだった時代の終わり。第二章は街中に、と@Dwell誌編集長のコメンタリー

米自動車各社がスマホ化を一気に進める背景は、当局の「走行中の携帯使用全面禁止」法案化潰しに成功したから。さすがの政治力。 http://t.co/nyCBEG14 しかし、10代・20代のクルマ離れは着実に進んでいるので、メーカーも本気です。

不動産投資は街中で決まりですね⇒米Gen Y世代のクルマ離れ+賃貸指向 Atlantic http://t.co/uwnnzUjR これは不況による一時的な要因でなく、構造的な問題。低給与、高失業率、スマホ、街中指向、エコ指向等の複合要因。

全米各地で、デベが郊外よりも、街中の不動産開発に力入れている USAtoday http://t.co/RnTewf7x 街中回帰がジワジワ来てるな、、、

米88%のGenY層は都市部(SFのような)に住みたい NAHB http://t.co/oQcldHNw  80年から00年に生まれたGenY層の人口は8千万人と巨大。1/3は歩ける近所にプレミアムを払う;2/3歩けるご近所は重要;1/2は小さな敷地で歩ける優先。

米若者の車離れ加速中 Ad Age記事 http://t.co/rxht1eJG 自動車免許保有率16歳50%→31%、18歳86%→68%。21-30歳の運転距離シェアは20%→13%。ネット普及→公共交通機関使用度アップ+環境保全意識。10年から20年で車離れがより加速

米GenY層(ミレニアムとも呼ばれる)特徴 http://t.co/c1Ct1Q9q 年齢15-32歳;人口7740万人でブーマー層より大きい(あわせて50%+);6割が大学進学;年400万人が社会人に;37%賃貸・35%自宅保有;26%が親やルームメイトと住む

SF市内のハイテク雇用は2000年の34,000人超え LAT http://t.co/kLh5XoX Twitter、Zynga、Salesforceに加え、多数のネット起業が貢献。アパート空室率は1%以下、SOMA地区では年賃料が30%アップ。GenY層の街中指向が背景

米不動市場の大きな潮流 ULI http://t.co/k9Y0ucA 街中のアパート需要増と通勤に便利な郊外の高密度住宅開発。背景:大量のベビーブーマー層の退職;GenY層の世帯創造;都市部の魅力増加;40年1.5億人の人口増加;小家族化;街中賃貸不足;光熱・エネルギー費上昇

米で石油価格高止まりと中低所得層の給与停滞が続く限り「郊外」不動産価値は停滞したまま BI http://t.co/YL1maLxU シラー教授も「郊外不動産」は石油価格高止まりが続く限りダメで、歩ける街中不動産に需要がシフト、と言及http://t.co/zs28JPxY

GenY層は車嫌いで歩ける街好き http://t.co/lYRkepX RT そういえば、サンマテオでもマウンテンビューでも、駅前レストラン街ビル上層階に小さいスタートアップがはいってますね。若い人がSFに住んで列車で通える

街中不動産人気背景⇒米若者のクルマ離れを指摘するGristの記事 http://t.co/w67w8qg4 背景:16歳免許保有者は46%→31%;18歳80%→65%;車保有費用(購入費用除く)は年$8500に暴騰(18-24失業率約20%);運転中はスマホやSMSが使えない。

バンクーバーの暴動も、格差広がりで取り残された若年層の不満爆発との分析も http://t.co/nShGaiz 平和を好むカナダ・バンクーバーで起きたちょっとした衝撃な事件。雇用状況は不安定で低給、不動産は高騰。取り残されたGenY層の不満が爆発?

米、過熱するアパート賃貸市場 NYT http://t.co/2PUcsxHn 米全体で賃料は2.4%上昇、空室率は5.2%まで低下。理由:自宅保有率低下、職の伸びの60%20-34歳、ガソリン高騰で街中集合住宅人気、住宅ローン審査厳格化、不透明な将来で買い控え

こちらは「GenY・Millenials層の人材獲得競争が、ダウンタウンのオフィス需要を増やす」という、ラインバーガー教授のブログ http://bit.ly/oGQnya

シカゴ市は過去10年の人口は-6.9%だったんですが、ダウンタウンの再開発の結果中心部の人口は倍増し、いわゆるクリエイティブ・クラスの高収入世帯が増えたんですよ。だから街中のカフェのMBA比率は高くなる http://t.co/l5ZAZ92j

NY市、数十年ぶりに人口参入超過 NYT http://t.co/0Y3ytbey 2010年25.2万人が参入、退出は15.7万人のみ(06年は23万参入、34万退出)。理由:街中志向;景気停滞の中西部やバブル崩壊南西部からの引越し;そこそこ景気が良い。

グーグルバス問題とサンフランシスコの階級抗争を理解するためのキーワード

$
0
0
ご存知だと思いますが、サンフランシスコ市は、テクノロジー系の雇用が活発だったり、ツイッター社のIPO等があり、空前の好景気に湧いています。その好景気の代償として、街をオラオラ顔で闊歩するテック系起業家達や、SF市に住みながらシリコンバレーまで会社のシャトルバスで通う従業員達に対する「取り残された層」の反発も急速に高まっています。

そして、12月に入ってから、SF市内のMission地区や近隣のオークランド市のWest Oakland地区で、都市部に住んでいる従業員をシリコンバレーの郊外のキャンパスまで運ぶ「グーグルバス」に対する抗議活動が、大きな話題を呼んでいます。

「くたばれ、Google」、その意味とは? http://bit.ly/1a1v84E
米グーグル通勤バス妨害される、抗議団体「IT社員流入で家賃高騰」 ロイター http://bit.ly/J6UcRe
「グーグルは、出て行け!」 - Market Hack http://bit.ly/1ju3K95
Protesters block Apple, Google buses in San Francisco area | Reuters http://reut.rs/JRD3uW

僕も以前は、SF市内に住み、シリコンバレーまで片道70㌔通勤をしていたり、不動産投資家としてサンフランシスコ市の住人の変遷等はつぶさに観察してきました。現在サンフランシスコ市で起こっている「階級抗争」とそのスケープゴートとしての「グーグルバス」について真相を理解するには、いくつかの複雑に絡み合ったトレンドやキーワードの理解が必須です。それについて、数値分析を通して僕なりの見解を下記の通りまとめておきました。かなり長くなりますが、参照ください。

さらっとまとめると、僕の見解は以下の通りになります:

- SF市のテック系新規住人に対する風当たりの高まりのスケープゴートに選ばれてしまったのがグーグル。問題の本質はシャトルバスではなく、SF市の複雑怪奇なレントコントロール賃貸市場と、テック系雇用の急増大。
- レントコントロールを通した低所得者保護は重要だけど、高所得でレントコントロールに保護を受ける世帯が3割もいるので、そこら辺から手を付けて賃貸に出回る物件を多くし、賃貸供給増やすべき。
- テクノロジーブームもシャトルバスにのってシリコンバレーに通う住民の増加もSF市にとって、税収面で基本的に良いこと。
- この数ヶ月でテック系への風当たりが高まった背景は、数名の起業家の空気よめない発言と、低所得者の追い出しが急増し、追い出しを厳しくする法案を制定中だから。
- サンフランシスコの強みは新しいものに対する寛容性なので、この手の問題も時間が解決する。
- 高学歴・高収入住民の流入が庶民を追い出す図式は、NY、ロンドン、パリ等の世界都市どこでも起こっている事象で、SFだけの問題ではない。世界的に魅力のある都市の一等地には、それなりに裕福でないと住めない時代。そのケーススタディとして、最先端をいっているかもしれません。

シャトルバス

消費者系テック企業に勤める若い従業員は、文化的にエキサイティングなSF市内に住みたがる傾向があります。よって、サンフランシスコ市内から50㌔以上も離れた郊外に広大なキャンパスを持つテック企業は、SF市内に住みたい優秀な人材を確保するために2005年頃からシャトルバスを運行し始めました。そしてこのシャトルバス運行の先鞭をつけたのは、グーグルで、「新種の福利厚生」として運行当初はかなり話題になりました。僕は米ヤフーに2004年まで勤務していましたが、2006年にはグーグルに対向してヤフーもシャトルバスを運行し始めたのに「嫉妬」した思いがあります(笑 - 特に出発バス停が僕の家のすぐ近くだったもので、、、)。

2011年の段階で、グーグルで2000人、アップル200人の従業員等が、延べ4-5000人が日々利用中とか言われていましたが、現在では、シャトルバスの一日あたりの延べ使用人数は14,000人位(SF市外からの輸送も含む)と推測されています。 下記が、アップル、eBay、EA、FB、グーグル、ヤフーといった主要企業のシャトルバス地図です。ポイントとしては、決してグーグルだけがシャトルバスを運行しているわけではありません。


SF市行政側としては、渋滞緩和に促進する、SF市に高給与の住人が増える、等の理由で、基本的にシャトルバス運行はサポートしています。しかしながら、市バスのバス亭の無断使用や、路駐による渋滞などの問題が発生していますので、主要企業の責任者とSF市の公共交通運行期間はタスクフォースを結成し、問題点の洗い出しや、今後のシャトルの方向性について討議を重ねています。このように、シリコンバレーの大手企業が運行するシャトルバスは、SF市にとって基本的に非常に魅力的なサービスなので、今後も拡大していくと思います。

こちらの記事や書き込みも参照ください:

“高機能移民”が庶民を追い出す:日経ビジネス http://nkbp.jp/1l6u8BA
シリコンバレー行きシャトルバス停と不動産の関係? http://bit.ly/tLG0WY
グーグル・バスの絶望的なダサさについて - Market Hack http://bit.ly/1f2dEJ6 
シリコン・バレー企業のシャトルバスで、サンフランシスコは変わってしまった、、、というSFクロニクルのコラム http://bit.ly/11sIN4m 
グーグルのシャトルバスがサンフランシスコをダメにする? http://bit.ly/TFkXPT SFに30年以上住む著者の長尺記事。
SF発シリコン・バレーの大企業行きのバスがSF市の不動産価格上昇を促進+庶民が住めなくなる Atlantic http://t.co/jKA1DSsf 

サンフランシスコベイエリアの郡別通勤状況

サンフランシスコベイエリアは、 Alameda、Contra Costa、Marin、Napa、San Francisco、San Mateo、Santa Clara、SolanoとSonomaの9郡から構成されれており、総人口は715万人に達し、一つの都市圏として認識すると、NY、LA、シカゴに次ぐ、全米第4位の人口を誇ります。

雇用的には、SF市、East Bay、Silicon Valleyの3つエリアにわけられます。米の郊外化の象徴として、郡別の雇用数は、グーグル、アップル、インテル等のシリコンバレーの大企業が立地するのSanta Clara郡の雇用が86万と、SF市内の45万人を大きく上回っています。下記は、米Censusの2006から2010年にかけての郡間の通勤人数のまとめですが、SF市内から19,087人が50㌔以上離れたSanta Clara郡へ、43,423人が隣接するFacebookやOracle等があるSan Mateo郡に通勤しています。
イメージ 3


下記は、SF市内から、ベイエリアの主要郡への通勤人数の2000年→2010年の推移です。SF市内の通勤者の総人数は3.6%の増加にとどまりますが、Santa Clara郡への通勤人数は15,868→19,087人と20.3%も増加しています。SF市内からシャトルバスの往復利用者が5000人(延べ10000人)いると仮定すると、約4人に1人がシャトルバスを利用している換算になりますね。この伸びからみても、シャトルバスの導入はSF→Santa Clara郡の通勤者の増加のかなり貢献したのではと推測できます。
イメージ 4


サンフランシスコ市のテクノロジーブーム

もともとサンフランシスコ市では、サービス業、政府関連雇用、会計・法律・広告・コンサル等のプロフェッショナルサービスが雇用の中心でした。いわゆる大企業は、郊外に大きなキャンパスを建て、SF市からの脱出を計るというのが今までの流れでした。しかし昨今では、20代若者男女を核とするGeneration Y世代には都市の中心部で、車のない生活が人気です。

また、インターネットやテクノロジーが実生活に浸透し、スマートフォンの普及の影響もあり、テクノロジー企業が、新しいものに寛容な都市住民が住む場所でビジネスを展開するメリットも増大しました。起業の傾向もネットビジネスに移行したので、郊外に大きなオフィスをメリットもかなり減ったという背景もあると思います。

そんなこんなで、米の大企業は若くて有能で、テクノロジーに強い人材を確保するために、こぞって市内にオフィスと移動しています。上記のシャトルバスも、都市に住む優秀な人材の囲い込みの一環といえるでしょう。

実際、SalesforceやTwitterやZynda等は、IPO後もSF市内にオフィスを構え続けていますし、Pinterest等の有望なスタートアップもシリコンバレーからSF市内にオフィスを移転したりしています。


雇用数をみても、SF市内のテック系の雇用は、2012年間に3.1万人→4.4万人と3割近く増えています。そして、テック系の中間年収は16万ドルに及ぶと言われています。2007年から2012年にかけての、米郡別のテック系雇用の増加率では、サンフランシスコ市では51.8%に達し、全米一の伸び率です
イメージ 1

これらの結果、サンフランシスコ市には現在1892社ものテック系企業が活動しています。

University of California at BerkeleyのMoretti教授は、給与水準が高いハイテク職が一つ増える毎に4.3の間接雇用増効果ありと発表しています(製造業職は1.4職 25頁参照)( しかしこの調査は、アップル社等のシリコンバレー企業が資金提供していますので、評価は割れていますw)。

高学歴・高収入テックワーカーが、庶民をSF市から追い出す?

サンフランシスコ市では格差の広がりは、この20年位継続しています。所得階層別世帯比率推移をみると下記の通りで、90年→2010年で、平均年収より150%の高収入世帯24%→27%と増加し、50%の低収入世帯も27%→30%と増加しています。

下記は2002年→2006年のデータですが、年収15万ドル未満世帯は軒並み減っていますが、年収15万ドル以上~20万ドル未満世帯は52%、年収20万ドル以上世帯は40%と激増しています。


この背景にあるのが、東西海岸都市部の高学歴化です。2000年から2009年の郡別の大卒人口の伸びでは、サンフランシスコ郡の大卒住民伸び数は7万人近く、郡の人口が二倍以上であるマンハッタン、ブルックリン等の次ぐ数値です。2010年のCensusの結果ではサンフランシスコ郡の大卒比率は、51%に達しました。そしてこのトレンドを牽引しているのが、テック系の新規住人達です。

都市として、増え続けるコストをカバーして行くには、人口を増やすか、住民の給与を上げるか(=税収増)しかありません。その観点から、サンフランシスコ市は、人も羨む勝ち組都市といえるでしょう。

こちらの記事や書き込みも参照ください:

サンフランシスコはお金持ちの大人の遊園地? http://bit.ly/iYdhQQ
サンフランシスコはお金持ちの大人の遊園地?その② http://bit.ly/92sHHT
サンフランシスコにお金持ちが増える理由  http://bit.ly/9RT5u1

サンフランシスコ市の開発規制

開発規制が厳しい場所は不動産が上がるよ」と以前から僕も指摘してきましたが、三方を海に囲まれ、起伏の激しいサンフランシスコは、アメリカでも有数な開発規制の激しさで有名です。家の建て替えをしようものなら、周辺のブロックの全ての住人から建築プランの承認を貰う必要があります。既存の住人としては、環境が守られるのでよろしいのですが、開発する側すると非常に厄介な状況になっています。開発規制の少ないテキサスでは、計画から1年以内に不動産が建てることも可能ですが、SFで同じ事をやろうとすると、許認可の期間を含めると3-5年かかることもザラです。これはのコストは建設コストに上乗せされますので、不動産価格が高くなるという背景です。

サンフランシスコ市は過去に年1500室の新規住宅供給をしてきました。SF市は35万世帯ですので、新規供給率は0.42%という低さです。それに加え2008年の金融危機で新規開発がストップし、2012年は200室程度しか新規供給されませんでした。そんな中で、テック系の好景気で2012年には40,000を超える雇用がSF市内で生まれました。それに加えて、グーグル等のシリコンバレーの大企業に勤める若者たちが、文化的な生活を求めてSF市内に移り住んだりしていますので、住宅供給に対して、需要が相当過多になっていることがお分かりだと思います。

需給の逼迫を受け現在はちょっとした建築ブームなんですが、新規コンドのSQF当りの平均売買価格がなんと$1100まで高騰しています。すると1ベッドのコンドの売り出し価格が70万ドルから(7000万円超え)という驚きの価格なので、庶民には全く手が出ませんw 

賃料に関しても、2ベッドのアパートの中間家賃は$3250で全米一の高さです(マンハッタンよりは安いですが)。 この価格を支払うには、年間家賃の3倍の給与が必要なので、ざっくり年収12万ドルが最低給与です。またまた庶民には手が出ませんね。

ここで起こるのは「椅子取りゲーム」で、高い賃料や不動産価格を払える裕福層増え、庶民層を追い出す図式です。

レントコントロール=賃上げ規制

上記の通り、サンフランシスコは基本的に住宅需要過多なのですが、話をもっと複雑にしているのは、既存の賃貸不動産の大半がレントコントロール物件だという点です。市場に出てくる賃貸物件はこの一年で10%以上は値上がりしていますが、レントコントロール対象物件は、2014年には1%の賃上げしか許可されません

SF市内には約35万室の不動産が存在しますが、22万室が賃貸向けに供給されており、その7割(15.5万室)がレントコントロール対象なので、実質7.5万室しか自由競争にまわっていないのです。よって、この数年のように新規住人が急増すると、限定したパイを奪いあい賃貸料が急騰するという事になります。巷ででは、平均賃料が$3000を超えたと騒いでいるのに、米Census統計では平均家賃支払いが月$1400程度の収まっているのは、レントコントロールというからくりがあるからです(それでも全米一の賃料の高さ!)。

ある調査では、レントコントロールのアパートに住む住人の29%が年収10.7万ドル以上で、3.4万ドル以下の低所得者層比率の27%より多い、といういびつな状況です。そのため、レントコントロールを嫌う大家が常に2万室程度を意図的に空室にしており、年間1000部屋が売買向けに転換されます=賃貸供給が減り、賃料上昇が加速します。

そして、サンフランシスコ住人の62%は賃貸なので、政治的にもテナント側をサポートする動きが強いですね。

レントコントロールを通した低所得者保護は重要だけど、高所得でレントコントロールに保護を受ける世帯が3割もいるので、そこら辺から手を付けて賃貸に出回る物件を多くし、賃貸供給増すべきだと思います。

The Mission地区

この通り、高学歴・高収入が庶民を追い出す図式は、過去何十年も続いてきたトレンドで、特に驚くことではないのです。しかし今回のグーグルバス騒ぎの発端であるサンフランシスコ市Mission地区の特性を理解するのも重要かと思います。

Mission地区は、外国生まれ比率が39%で、自宅でスペイン後を話す人口が37%/ヒスパニック系比率41%の地域です。そして、中間家族年収も$57,897と、SF中間の$86,665より低い、低所得者層が多いです。

しかしながら、この10年間程で、ジェントリフィケーションが進行し、現在ではヒスパニック系住民よりも流行に敏感な「ヒップスター」が集積するほうが有名だったりします。ブルックリンのWilliamsberg地区とならび、アメリカのヒップスター文化の中心として認識されています。


そして、ロケーション的にシリコンバレーに向かうハイウエイの入り口に近いので、各社のシャトルバスの最終ピックアップ場所に指定されており、最先端文化に加えその利便性の高さから、テック系の住人に大人気になりました。不動産の価格も賃貸の値段の上昇も、この3-4年間ではSFのその他地域よりも一番値上がりしました。平均賃料は5割位上がったのではと思います。

このように、現在のMission地区は、ヒスパニック系の古くから住む住人とテック系ヒップスター混在するエリアとなりました。下記はAirBnBのMission地区の紹介頁ですが「とっても複雑」という言い得て妙な表現をしています。良く言えば、ヒスパニック系低所得者とテック系ヒップスターが共存している。悪く言えば、それらのグループの格差の広がりが顕著になっていると言えます。


Ellis Actsを行使したテナントの追い出し増加

上記のようにサンフランシスコ市は非常に賃貸テナント有利な政策を敷いており、レントコントロールにより、家賃の上昇率が低く押えられています。それによって、市場に出回っている賃貸物件の中間賃料は$3000超えにもかかわらず、市民の家賃支払の中間価格は$1400というギャップが生まれています。上記のMission地区の賃貸比率は74%と高く、既存住人の中間家賃は$1000程度で、SF市内でも安い部類です。

昨今のテックブームやシャトルバス亭近くという利便性の高さから、Mission地区の不動産は高騰しており、新築のコンドが161万ドル(1億6500万円位)という高値にもかかわらず即日完売したりしています。 

このように、既存の住人に支払い家賃と、売買価格の乖離が天文学的になっているので、大家やデベロッパーは、既存のテナントの追い出しに力を入れるようになりました。レントコントロールされた部屋にすむテナントの追い出しは非常に難しいですが、Ellis Actという特例を行使すると追い出しは可能です(そのかわり、オーナーがその物件に住むや、物件をTIC売買向けに転用する必要があり、高値で賃貸に出すことはできません)。Ellis Actの行使がこ13年3月までの1年に170%も増え、その犠牲者が一番多かったのはミッション地区の住人でした。今までは、テック系ヒップスターと昔からの住人はなんとか上手くやってきたのですが、ここに来て「グーグル出て行け」がはじまったのは、Ellis Act追い出し増加という、政治的な問題に発展したからと言えます。

イメージ 2

実際、Mission地区をSF市議会議員のDavid Campos氏は、大家の支払うEllis Act追い出し関連費用(現在は平均で$5200/人)を高くし、追い出すインセンティブを減らす法案を作成中で、SF市長のEd Lee氏の賛同も取り付けています。Mission地区でのグーグルバスに対する抗議も、Ellis Actを難しくする法案をサポートする市民グループが引率しています。ガス抜きにしかならないとは思いますが、この法案は既存の市民を満足させるために、可決される事になると思っています。

空気の読めない若い起業家達

テック系新規住人に対する、SF市民のフラストレーションは、今年に入りかなり高まった気がします。その象徴的な出来事として、2人の起業家の空気の読めない発言がありました。

まず最初が2013年8月の、Peter Shih君のサンフランシスコをディスるブログです。SF市の優遇税制を使って起業しておきながら、ホームレスの多さや、天候、女性のレベルの低さ等を偉そうに書き綴った事から、ブログ が大炎上し、SF一の嫌われ者になってしまいました。そして、数日後に謝罪ブログをポストしましたが、NY行きの片道航空券を送られたり、自宅近くに張り紙されたり、散々な目にあいました。

次の空気読めない発言は、AngelHackのCEOだったGreg Gopman君で、SF市の目抜き通りのMarket Stに「ホームレスが多すぎて目障り」との書き込みをFBにしました。これも即座に炎上し、翌日には謝罪のポストし、AngelHack社も、実はGopmanはCEOを退任していいたのでもう関係ない、などとの声明を発表するに至っています。

サンフランシスコ市民は、全米一で最もリベラルと言われ、市民の多様性や文化について非常に高い誇りを持っています。金銭的なメリットでSF市に移り住むテック系の新規住民が、ドヤ顔でこの手の発言を繰り返した事で、テック系住民への向かい風をとても高めたと思いますね。

火に油を注ぐNew York Times紙

テックブームによるSF市の格差拡大と階級抗争について、何故か、詳細をレポートしているのは、全国紙を目指すNew York Times紙です。マンハッタンやブルックリンの抱えているジェントリフィケーションとそれに付随する問題が、SFのMission地区とだぶるからですかね?原則的にSF特異な問題なわけですけど、NYT紙がカバーすることにより、SFの階級抗争問題は全国的に注目されるようになっていますw

12年6月NYT記事⇒SF市、テックブームで職は増加も、中間所得層の暮らしがますます困難に。 http://nyti.ms/L9PZ9M市内のテック職増加と市内からシリコンバレーに勤務する若者増加で、平均家賃は$2,663までアップ。

13年11月記事⇒高給テック系住人の増殖で、サンフランシスコ市内の既存住人との軋轢が、というNYT紙記事 http://nyti.ms/1ampYiS昨今の市内の家賃は平均$3000超えまで高騰し、レントコントロールされた低所得者層の追い出しも顕著。SF市としては、税収増でウハウハ。

13年12月社説⇒収入上位層が公共交通機関を使わないSFベイエリアの格差は、NYCより深刻、と指摘するNYT社説 http://nyti.ms/JxHESI基本的にマンハッタンの抱えている格差問題はSFと同等以上だと思うけど、NYTは昨今SFをディスりまくり。

高学歴・高収入住民の流入が庶民を追い出す図式は、NY、ロンドン、パリ等の世界都市どこでも起こっている事象で、SFだけの問題ではないす。世界的に魅力のある都市の一等地には、それなりに裕福でないと住めない時代。そのケーススタディとして、最先端を行ってるかもしれません。

以上、長くなりましたが、Happy Investing!!!



アメリカが車社会化した9つの理由

$
0
0
いつも愛読しているThe Atlanticに、「ヨーロッパに比べアメリカの車社会化している9つの理由」という記事が載っていました。僕の生業のアメリカ不動産投資では、現在は「街中へ」の人の流れがおこっていて、僕の不動産投資も最近は、街中のロケーションの良いアパートに集中しています。しかしながら、車なしで生活できる場所は、NYやSF等の限られた都市内であることもどうしょうもない事実です。

この記事は、アメリカの車社会化の背景を、非常に簡潔にまとめてますので、背景の9つをメモ代わりに、箇条書きしておきます:

9 Reasons the U.S. Ended Up So Much More Car-Dependent Than Europe - Ralph Buehler - The Atlantic Cities http://bit.ly/1jQSZgP


まえがき:
- 1920年から60年代までは、ヨーロッパの都市プランナーにとって、アメリカの車を中心とした都市づくりは崇拝の的であったが、60年代には、歩行者、自転車、公共交通機関を中心とした街づくりに舵を切った。
- 現在では、ガソリン代高騰、最果ての郊外へのスプロール、交通渋滞の悪化で、この20年は、米の都市プランナーもヨーロッパの都市づくりを参考にするようになってきている。
- 2010年の調査では、米国人の外出の85%は車で、ヨーロッパの50-65%とは大きな差がついている。また、欧米ともに外出の30%は1マイルいないの近場であるが、米国人の70%は車で外出している(欧州では30%程度)。

1. モータリゼーションの大衆化が早かった:米では、1930年代には2世帯に1台の車普及率を達成した。

2. 高い道路完成度:車での移動を前提とした高度な道路の革新がアメリカでははやくから進行し、最先端の舗装、橋、トンネル、交差点、進行、高速道路、駐車システムが実現した。

3.車の維持費:アメリカのガソリン代はヨーロッパの半額程度だったり、購入時は保有の税金も安い。また、米国のガソリン税の殆どが、道路整備の予算として使われている。

4.インターステート高速道路システム:1950年代に、連邦政府は州をまたぐ高速道路建設資金の90%の補助を発表し、高速道路網の普及に力を入れた。この高速道路が郊外へのスプロールに貢献した。

5. 政府の補助:ガソリン税、登録費、有料道路料金等は、全米の道路の開発費や維持費の60-70%程度で、残りは、市郡州連邦レベルの税金で補填されている。

6.テクノロジーの進展:米国の車政策は、規制よりも、テクノロジーの革新に力をおいた。例としては、排気ガス対策として、ガソリンのフォーミュラを変えたり、触媒コンバーター導入、安全対策としてエアバックやシートベルトの導入。

7. 公共交通機関:米政府は公共交通機関への補助をほとんど行わず、過去に存在した私鉄や私バス等は1950年代には、ほとんどが潰れて消えてしまった。

8. 歩道や自転車優先道路:米の都市内では、歩道や自転車優先道路の導入は、最近までほとんど行われてこなかった。また、法律的にも、自動車運転側にやさしい。

9. ゾーニング:米国では住宅地への商店やビジネスの進出の規制は厳しく(ドイツでは医療、カフェ、商店、アパートなどは問題なし)、また、ゾーニングも地域毎に決定される(ドイツでは、ブロックごと)。

皮肉なことに、昨今は街中回帰、アパート回帰、歩ける街回帰、自転車専用レーン開発、等が米の都市づくりのメインテーマになってきていますが、背景は知ると、またまた味わい深いですね。

日本に関しては、地方では、大型SCや郊外一軒家指向象徴されるモータリゼーションまっしぐら、という感じですが、どうなるのですかね?

では、Happy Investing!!!

年6.00%利回り保証+高担保付の債券投資案内

$
0
0
概要
米国不動産を担保に、米ドルで安定高利回りを得る投資機会の提案です。投資金額は115万米ドルで、年間利回り6.00%を保証します。融資機関は3年から6年になります。貸付額115万ドルに対して、担保物件の現状評価額は185万ドル非常に安全性の高く、手間のかからない投資です。現在の米国5年債の利回りが1.46%と比較して、安定して高利回を受け取ることができます。

投資スキーム
投資金額:$1,150,000
利回り:年率6.00%
支払い:年$69,000の金利支払いを、毎月1日に$5,750を所定の米国銀行口座に振込ます。
支払い開始時:2014年4月1日が貸付開始日になり、最初の支払いは5月1日になります。
貸付期間:6年間。3年以内にローンの前払いを行った場合は、前払い金額の1%のペナルティ。借り主は、ローン開始後3-6年間目のローン前倒し支払いの権利あり。
最低貸付年数は3年を予定しています。期限に日時までに、売却もしくは、借り換えにより、元金の返却を実行します。
借り主:かなりの資産や年間収入をお持ちのAAA信用度の日本人投資家です。
その他:支払いが10日以降に遅れた場合は、毎月の支払金額の5%の遅延料を支払い。
    芝山が中間に入り、物件の運営がしっかり行われているかを逐次モニターし、報告いたします。
振り込み先:3月25日までに、所定のエスクロー会社に上記金額の支払いをお願いいたします。
投資時の発行書類:1)Note Purchase Agreement(既存のローン会社からのローン債権の買い取り契約書)、2)Promissory Note(不動産オーナー/借り主との借用書)、3)Deed of Trust(第一抵当権証書)。

担保物件

イメージ 1

- シェールガス・オイルブームで米国でもトップクラスの経済成長や雇用増加率を誇る、テキサス州コーパス・クリスティ市のダウンタウンより車で10分程度の極上ロケーションの44室アパートです。
- 2013年10月の不動産価値鑑定家による評価では、現状の価値は185万ドルと算出されています(レポートは別途提出します)。よって、含み益が40%近く、担保価値が非常に高くなっています。
- 今回の借り換え終了後に20-30万ドルかけ、物件をリフォームし、ミドルクラス向けの高収益物件につくり上げる予定です。

テキサス州コーパス・クリスティについて
テキサス州南部に位置する港湾都市で、コーパス港は全米5位に入る取り扱い額を含みます。莫大な埋蔵量をイーグルフォードシェール層の一番近い港町で、精油や安価なガスやオイルを利用した製造業の中心地です。経済成長に伴う賃貸需要の増加で、担保不動産価値の上昇が期待できます。昨今の経済関係ニュースは以下のとおりです。
  • 石油やガスブームで、テキサス経済は空前の活況 Forbes http://onforb.es/1q14iUO リーマンショック以降の全米の雇用創出の49%はテキサス。特にエネルギー関係の雇用は40%増。コーパスクリスティの原油出荷量もゼロから40万バレル/日に。
  • コーパス・クリスティの属するNueces郡の人口は、現在34万人も、シェールブームで今後9年間で倍増し68万人に、18年間で4倍増し136万人に到達する可能性も。Caller Times http://bit.ly/1mRdFau
  • コーパス・クリスティの賃料と入居率は急上昇中 1/15 CallerT http://bit.ly/1mbble4 10年1月→13年12月の入居率89%→95.2%、平均賃料$700→$830。更新時の家賃の値上げは$125が目安。14年も5800の新規雇用。
  • コーパス・クリスティ港の原油の出荷量は前年同期比45%増加。コーパス都市圏の雇用は2010年より8%増加。割り安なガスや石油を求め、世界中から製造業が進出。今後の課題は人手不足にどう対処するか。 2/7 WSJ紙 http://on.wsj.com/1fi5ACi
  • 「テキサス州のEagle Fordの原油生産は前年より49%増加し66万バレル/日。コーパス・クリスティの原油取扱量は91%増加し38万バレル。 http://bloom.bg/1miWRUb シェールガスの生産量は14.6万バレルで、前年比12%減。」
  • 2013年度、米都市圏経済成長率 http://bit.ly/1hEVz5W コーパス・クリスティ都市圏のGPD成長率は3.8%で、363都市圏中第10位!
  • 2013年中盤の家賃の伸びはコーパス・クリスティが8.03%で、ボルダーやサンフランシスコに次いで、全米88都市圏中第三位 AXIOMetrics社 http://bit.ly/Kp2J2C
申し込み・質問について

上記が、投資のスキーム・フレームワークですが、諸条件等はフレキシブルに対応できますので、興味ある方は、oystersf@yahoo.com までメールお願いします。

では、Happy Investing!!!!

マイルドヤンキー賞賛とその先にあるもの、、、

$
0
0
いや~、最近の日本のメディアやマーケティング業界のキーワードは「マイルドヤンキー」ですね。この一年位から、「日本のヤンキー化」なるものが騒がれていて、そこで、博報堂生活総合研究所勤務の原田曜平氏の「ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体」が発売された事で、いいとこ取り。一本釣りした感があります。基本的には「ソフトヤンキーという新たな金脈発見」的な賞賛記事が多いのですが、格差社会の最先端を行くアメリカ在住の僕としては、一抹の危うさを感じています。それは、低学歴層の増大、チェーン店の増加、高卒向けの安定職の海外へのアウトソーシング、製造業からサービス業主体経済への以降と共に、1980年代以降にアメリカの中間層がジワジワ消えていった流れと酷似しているからです。今回の書き込みでは、アメリカのケースを元に、マイルドヤンキー経済賞賛の危うさを検証を下記の通り行います。

昨今の、マイルドヤンキー賞賛の具体的な記事としては以下の通りで、かなりメディアを賑わせています。

Yahoo!トピックス 新保守 マイルドヤンキーとは http://bit.ly/OuEMc8
『ヤンキー経済』六本木からも丸の内からも見えない世界 成毛眞 http://bit.ly/1h5URSq
「新しい保守層から未来の姿を予測する」、『ヤンキー経済』  未来回路.com http://bit.ly/1eiJi6V
郊外で独自に発達中!新しい「ヤンキー」市場とは? 佐々木俊尚 http://bit.ly/1j3i6cv
「ヤンキー」のライフスタイルに学ぼう!山崎元 http://bit.ly/1dbH7nC
スポットが当たり始めた地方の“ヤンキー世帯” 週間ダイアモンド http://bit.ly/1ig1rmE

ざっくり言って、マイルドヤンキーの特徴は以下の通りです:

  • 生まれ育った地元指向が非常に強い(パラサイト率も高い)
  • 郊外や地方都市に在住(車社会)
  • 内向的で、上昇指向が低い(非常に保守的)
  • 低学歴で低収入
  • ITへの関心やスキルが低い
  • 遠出を嫌い、生活も遊びも地元で済ませたい
  • 近くにあって、なんでも揃うイオンSCは夢の国
  • 小中学時代からの友人たちと「永遠に続く日常」を夢見る
  • できちゃった結婚比率も高く、子供にキラキラネームをつける傾向
  • 喫煙率や飲酒率が高い

マイルドヤンキー君達をマトリックスで表現すると、著者いわく下記の通りだそうで、社交的でITへの関心スキルが高いエリート層と対極に位置するそうです。
イメージ 1
博報堂生活総合研究所が出した本だけあって、マーケティング観点からは非常に面白かったです。Exileや浜崎あゆみ、LINE、パズドラ、ユニクロとかイオンSCの最近の人気がマイルドヤンキー層に支えられてる点など特に。

それと同時に、「日本を含む先進国では、エリート層と低学歴層の格差が誇大化している」という懸念をかなり強く感じました。米国の格差の誇大化については、チャールズ・マレーの「階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現」を下記のブログ記事にまとめましたの参照ください。

頭がよくないと、まともな暮らしができないのか?  http://bit.ly/y77OQ5
橘玲さんの書評:アメリカ社会は人種ではなく“知能”によって分断されている http://bit.ly/N6mqxu

マレー氏指摘は以下の通りですが、これって、日本のマイルドヤンキー像とかなり重なる部分が多いと思うんですよね(カッコ内は日本との類似点)。
    実際、僕と同じような事を感じている方は何人もいるようです↓。

    ご存知でしたか 日本人の9割がヤンキーになる 1億総中流の時代はよかったなぁ 現代ビジネス  http://bit.ly/18a5mjf
    『マイルドヤンキー』の楽観と悲観/奥深いヤンキー問題 - 風観羽  http://bit.ly/1nChcde

    「新ヤンキーの人生には続きがある。あまりにも若くして結婚する場合、夫婦ともに定職を持たないままということも実は多い。夫は職を転々としつつ家族を養うが、2人目、3人目の子が生まれると家計を支えきれなくなってしまう。歳をとるにつれ働き口がなくなってゆき、ヤケになった夫がギャンブルに溺れるかたわらで、困窮した妻子は家を出て、生活保護で暮らすようになる―。」

    あと、「マイルドヤンキー」がバズワードになる前の、バカッターやバイトテロ連発時は「地方や郊外の低学歴論」も、ネット上で話題になってました。彼らの描く低学歴ヤンキー像は、脚色も入ってるんでしょうけど、かなり悲惨です。いわゆる高学歴層との断絶もアメリカ以上かという感じです。

    「実家に帰ると、親戚の誰それが結婚した、でも結婚相手はどうしようもないバカでパチンコばかりで家族そろって金を無心にくる、という似たような話がゴロゴロ。不倫・バツ1・再婚・生活保護・パチンコ・ギャンブル・騙した・騙された・蒸発、、、あげれば切りがないけどそんな話がゴロゴロゴロゴロ。ほんと、子供がDQNの家庭は親も間違いなくDQN。」

    「一軍で目立ってモテてたイケメン男子たちの中で、成績が悪かった人たちはみんな地元できつい肉体労働に就いてる。でも可愛い女子たちは、知ってる限りみんな風俗嬢か家事手伝いになってる。東京に出た子が全然居ない。」
    田舎から出られないコンプレックス http://bit.ly/18koC9s

    「大学へ行ってまず俺が驚いたことは、友人達の家庭環境と文化レベルの高さ。両親がサラリーマン家庭(そういう友達は地元ではほとんどいなかった);家族兄弟の誰かが海外赴任とか海外住まいとか普通にいる(英語ならお姉ちゃんがペラペラだよ、とかすげぇ);海外旅行経験者多すぎ(国内旅行すら修学旅行くらいだった俺には衝撃);趣味が舞台鑑賞とか美術館めぐりとか(ギャンブルが趣味じゃないって凄い);騙す人なんてほとんどいない、無条件に人を信用する人の多さ;お金を貸しても絶対返ってくる;「ありがとう」とか感謝の言葉が普通に飛び交う」
    低学歴と高学歴の世界の溝 http://bit.ly/1cU6JSp

    バイトテロが連発に関して:「「低学歴の世界」って言葉は、すごいうまくいいあらわした言葉だと思った。でもそこに属してるのは、低学歴の子供たちだけじゃないから。「低学歴の大人」や「子供を低学歴にする大人」が作ってる世界に育った子供たちが低学歴になる。常識をおしえてもらえなかった子供たちが、その子供たちだけの常識作る。」
    20代ひきこもり系非正規女子のつまんないぼやき。 http://bit.ly/1cCK7HI

    「中学受験で優秀な子は地元の6年制一貫の進学校(受験少年院)や国立大学付属中学校に抜けてしまうので、残った地元の公立中学校はさらにワンダーランドです。私のクラスで最終的に大学に行ったのはせいぜい10人。クラスの一番かわいい女子や享楽的な女子は中学校1年か2年の主に夏休みに処女を失い、それがクラスにだいたい3~4人いて、次にその取り巻きのワナビーが中学3年の時の主に夏休みに初体験をし、20人ちょっとしかいないクラスの女子の1/3くらいは卒業時に性経験を有することになります。 」
    地方都市で、低学歴と高学歴の世界が交わるとき http://bit.ly/1g0mCtk

    次に、低学歴層の没落に関しては最先端を行くアメリカとの共通点を検証してみましょう。

    生まれ育った地元指向が非常に強い(パラサイト率も高い)

    アメリカでは、世帯年収が低く経済的に一番遅れていると呼ばれる南部のルイジアナ、ミシシッピー、アラバマ州や、製造業が衰退した中西部のミシガン、オハイオ、ペンシルバニア辺りに、生まれてからずっと同じ州に住んでる率が70%超えです。 http://1.usa.gov/1dqgO7I
    * パラサイト・シングルに関しては日本は完全に先進国ですねw 特に壮年未婚パラサイト(35-44歳)の増加!⇒親と同居の未婚者の対人口比推移 http://bit.ly/1cStGlJ


    郊外や地方都市に在住(車社会)

    アメリカでは、ガソリン代や保険代の高騰により、交通費の高騰が車社会の都市圏の米国民の生活を圧迫しており、世帯収入に対する居住費+交通費合計の比率が高い都市圏:1マイアミ72%、2リバーサイド69%、3タンパ66%、4LA65%、5SD63%、6アトランタ63%と交通手段が自家用車に限定される都市圏が上位に。
    * 首都圏の市区町村別の最終学歴をみても、東京の下町地区を除き、都心から離れる程、低学歴傾向が明らかですね。


    低学歴で低収入

    アメリカでも学歴と雇用は密接に関連 http://t.co/iJmUi92p 週給・失業率:専門修士$1665・2.4%<博士$1551・2.5%<修士$1263・3.6%<学士$1053・4.9%<短大$768・6.8%<高卒$638・9.4%<高卒未満$451・14.1%

    ITへの関心やスキルが低い

    アメリカのデジタル・デバイド。家庭内ブロードバンドインターネット接続率:年収15万ドル以上90%>2万ドル未満54%;大卒89%>高校中退37%。http://bit.ly/1qVgyqf
    私は学校にまともに行ってなかったから、もしかしたら学校で少しはやったのかもしれないけど、でも私自身は、インターネットなんて学校で習わなかった。
    * 上記の20代ひきこもり系非正規女子のつまんないぼやきさん曰く:「私の友達もだいたいインターネットなんて知らない。ミクシィやフェイスブックは知ってても、インターネット、っていうのは知らない。携帯やスマホでケータイ小説読んだり日記書いたり写真載せたり動画見たりコメント書いたりしてるけど、でも、インターネット、って知らない。自分が使ってるのがインターネット、ってこと、知らない。使ってるのは、携帯だし、スマホだし。パソコン持ってない人多いし、インターネットはパソコンでやるものだと思ってる。スマホだって、うちの職場のおばさんたちは、それがなにかちゃんと知ってない。」

    遠出を嫌い、生活も遊びも地元で済ませたい

    2000年→2012年:アメリカでもパラサイト率急上昇。年齢18歳~24歳:47%→57%。25歳~34歳12%→20% http://bit.ly/1lPo6am 
    カリフォルニアでは230万人の「大人」が親と同居中で、リーマンショック以降63%の上昇し、食費・交通費・健康保険代が親の財布を直撃。 http://bit.ly/1d0v1NX
    リーマン・ショックを差っ引いても、低給与で自立できない層は増えているので、トレンドとしては上昇傾向間違いないでしょうね。

    非常に保守的

    アメリカでは、教育レベルの高い裕福層がリベラル化して、共和党の主要支持層は内陸部に住む、低学歴、右傾、コンサバクリスチャンが増加。労組の強いミシガンのような中西部州が共和党の票田になるなど、以前は考えられなかった。http://bit.ly/w4NrYt 
    * 日本でも、この前の都知事選で、最終学歴が低い下町の区や、立川から先の当りで、舛添氏への支持が高かったのが興味深いです。 http://bit.ly/1fZPu1N

    近くにあって、なんでも揃うイオンSCは夢の国

    郊外のモール化・チェーン店化が60年代から進んだアメリカでは、80年代位までは、郊外の若者が集まるまさに「夢の国」でした。しかし、米国では室内モールは90年代から下火で、1/5のモールが経営不振。今後10年間で15%のモールは閉鎖と予測されます。背景としては、裕福層都市回帰、車中心のライフスタイルの変化、石油値段高騰、等がありますが、最大の背景としては、チェーン店化がウォルマートのような巨大ディスカウンターを作り上げてしまい、近隣の住人の給与が下落し、中級階級向けのCircuit City、Mervyn's、Dillar's等の小売店を淘汰してしまった点だとおもいます。ウォルマートは、24兆円の売上を誇り、210万人を雇用していますが、時給ベースだとたった$12.50(年収150万円位)。昨今ではネットショッピングの増加や、車を持てない低所得者層の増加で、さすがのウォルマートも売上が低迷しています
    * 日本では、SCの出店をイオン中心に加速させていますが、ビエリ守山の閉鎖などをみると、出店のサーチュレーション(飽和)とSC当りの売上の低迷は、そろそろなのではと感じています。

    できちゃった結婚比率も高く、子供にキラキラネームをつける傾向

    アメリカの場合、生活保護を受けるために、あえて籍を入れない女性も多いのですが、米30歳以下の出産の半数は未婚。 NYT http://nyti.ms/xvFbVu最終学歴別未婚出産率:非大卒51%>何らかの大学経験34%>大卒8%。人種別未婚出産率:黒人73%>ヒスパニック53%>白人29%。

    子供を作って、EBT(生活保護カード)を手にして、良い生活をしよう!と風刺するChapter JacksonのMV⇒ It's Free Swipe Yo EBT (Explicit) - YouTube http://bit.ly/ZZa7bu
    アメリカの「親の教育水準が低い白人の女の子」の名前ランキングをチェックすると、高学歴に比べ、キラ切れネーム比率がとっても高い。「ヤバい経済学」 。
    * 日本では、厚生労働省が人口実態統計をもとに集計した「出生に関する統計」にある、結婚期間が妊娠期間よりも短い第一子出生の数値データを見ると、年々上昇傾向にあることがわかる。割合では、1980年の10.6%から2010年には25.3%へと上昇。さらに「できちゃった結婚」の割合を都道府県別(2009年統計)で見ると、沖縄県が42.4%で飛びぬけて多い。そこに佐賀県(37.5%)、福島県(36.7%)と続き、最下位は東京と神奈川の19.5%となっている。 http://amba.to/1fIc25m

    喫煙率が高い

    アメリカの最終学歴別喫煙率:中卒49%>高卒25%>短大卒25%>大卒11%>院卒5.6%。貧困層31%>非貧困層19% http://1.usa.gov/1hCuOOe
    * 日本の男性の年収別喫煙率は、200万円以下37%>200~600万円34%>600万円以上27%。 http://bit.ly/1g1I94Y 都道府県別だと、青森、北海道、福島、石川等が高く、奈良、島根、京都、東京が低い。http://bit.ly/1d13f3R

    以上、つらつら書き込みましたが、格差社会の先進国アメリカを、日本が後追いしているのが、かなり明らかかと思いますです。

    日本政府としても、マイルドヤンキー層の増加は、注意を払っておいたほうが良いと思います。アメリカでは、政府に収入依存をする層が増加しており。 http://nyti.ms/f4oFZ5 赤線(左軸)の勤労収入の比率は1955年68%→51%と減少し、青線(右軸)の移転支払(年金、失業手当等)4%→18%と急増しています。日本も生活保護層の増大や、税金を支払わなくて良いくらい低所得者層の増加は明らかですので、確実に国庫を蝕んでいるはずです。

    また、マイルドヤンキー層も、今までの消費生活がメンテ出来るかは疑問ですね。春山昇華さん曰く、2011年~2012年は、デフレの最盛期だったそうで、円高終了し、リーマンショック後の世界的な製品供給過多も終了したので、今後は、衣料、食、エネルギー費、石油等の生活必需品のインフレは確実に始まるでしょう。また、消費税も5%→8%→10%と、若干の賃上げでは吸収出来ないほど、上がります。 

    また、内田樹センセイいわく、財界や大企業から狙われています。


    日本のマイルドヤンキー化の傾向に、一つ救いがあるのは、親がそれなりに資産を持っている場合は、よくも悪くも世代間の所得移転が機能しているという点でしょうか?「ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体」にも、パラサイト傾向、親から生活資金援助受ける、親の車を借りる等の親だよりの傾向の高さを指摘しています。下記の通り、高齢世帯の貯蓄残高分布をみても、41%の高齢世帯が2000万円以上の貯蓄を持っており、マイルドヤンキー層のセイフティネットの役目を果たしているんでしょうね。あくまでも仮説ではありますが、マイルドヤンキー層の親の資産レベルは、その他とくらべ低いことが予測されるので、親からの資金援助の恩恵に預かれない大多数は、大変だと思いますが、、、、
    イメージ 2

    最後に、不動産関連の話でまとめると、年収の上昇せずとも下がりにくい高学歴層の住む、交通利便の高いエリアにするのが無難でしょうね。郊外にSCが乱立する、低学歴エリアですと、給与の下落やら、車の維持費の上昇やら、インフレによる可処分所得の下落やら、テナントの質の面やらで、将来的に苦労するのは明らかですからね、、、、

    では、Happy Investing!!!

    デトロイト市財政破綻の本質的な問題とは?

    $
    0
    0
    7月18日にミシガン州デトロイト市が、連邦破産法9条を申請し、過去最大の自治体の財政破綻となりました。かなり色々な日本のメディアの見解が的外れだったので、僕の考えをまとめておきます。一言で言うと、負の歴史を精算する良い機会だとおもいます

    まず、理解すべき背景は、デトロイト市と、デトロイト都市圏の違いです。デトロイト市人口は、1950年185万人→2000年95万人→2010年71万人と激減しています。しかしながら、デトロイト都市圏人口は430万人で1970年から横ばいです。何が起こったかというと、 1950年代から、アメリカの郊外へのスプロールトレンドにのって、職と中産階級の郊外への移住が起り、デトロイト都市圏ではそのトレンドに変化がないからです(NYやサンフランシスコでは都心部に裕福層増えています)。逆にデトロイト都市圏の経済のファンダメンタルズは上り調子で、雇用も家計の収支も2010年以降上昇しています。よって、デトロイト市と、デトロイト都市圏の違いはまず認識する事が重要です

    下記は、デトロイト都市圏の年収別の地図です。赤が高世帯年収⇔灰色が中世帯年収⇔青が低世帯年収です。デトロイト都市圏の中心のデトロイト市が青=低所得者ばかり住んでいる状態になっており、貧困世帯比率は1/3を超えると言われています。



    低所得者層ばかり住んでいたり、空き家が増加して犯罪の温床になったりで、デトロイト市内の犯罪率
    は全米最悪です、それがまた中間層が市内を避ける傾向に拍車をかけています。

    このように、デトロイト市は、1)人口激減、2)住んでいるのは低所得者層ばかり、3)不動産価格低下(固定資産税減)、4)連邦政府からの補助金カット等から、税収が激減しました。

    税収減だけなら、市民サービスのレベルを落せばなんとかなるのですが、デトロイト市の財政を圧迫した最大の要因は、退職したデトロイト市職員や警察官、消防員の年金と健康保険等の福利厚生の支払いです。デトロイト市は、$18Bn(約1兆8000億円)の長期負債のうち、$3.5Bnを退職者年金から借りています(加えて$6.5Bnを退職者医療保険から借入)。下記のチャートのオレンジ棒は市の退職者年金がデトロイト市に貸し付けている金額で、赤棒はその市場価値です。現段階では、現在の貸付額$3.5Bnですが、その価値$2Bnしかありません。


    下記は、2011年11月のNYT紙のチャートですが、デトロイト市は、当時の警察官や消防員の総数の倍以上の退職者を抱えており、年金の$275Mの支払い義務に対し、デトロイト市の貢献額は$50Mしかありません(当時は、預かり資産を上手く投資して倍増させることで問題解決を図ろうとしていました)。別の言い方をすると、膨れ上がる退職者への年金や医療保険の支払い義務を、縮小するデトロイトの歳入状況では、賄えないということなのです。




    話は変わりますが、2011年頃に全米で吹き荒れた地方公務員労組と地方政府の争議問題を覚えてますか?

    - 全米各地に広がる公務員労組と政府の戦い FT紙 http://bit.ly/11o3nCp労組:民間より低い賃金を受け入れている→州政府:労働時間も短いし、手厚い確定給付型年金(退職時給与の7割程度保証)もあるだろ!背景:組合は安い賃金と引き換えに手厚い諸手当を手に入れた。

    - サンフランシスコ市、$4.5Bの年金支払い積立不足 http://bit.ly/ijqUCWウイスコンシンじゃないけど、公務員問題の本質は給与でなく、手厚い確定給付型年金。組合側は給与では譲歩、確定給付型年金は死守。この調査の資金提供はVCのMichael Moritz。

    - 労組が強く高齢化のNY州も州民一人あたりの公務員年金への支払は00年から07年で515%アップ($79→$485-米平均は$240) http://t.co/ROTWS1GI

    - 破産に近づくデトロイト:逃げ場なし FT紙 http://bit.ly/13eEHgY

    - 米公務員年金に関するオモシロ数字http://t.co/muFNuLRK年間年金支払い額は3万ドル弱(社会保証費支払いは1.4万ドル);24年勤続で満額支払い;年金基金への支払い総額は3.5万ドル程度;年金に加えて社会保障費も受け取れる。年$3万ドルの支払いを受けるのに、過去の積立総額が$3.5万ドルしかない点。これって年率ン十%で回さないと達成できない。

    - RI州の確定拠出年金改革プラン http://t.co/Hmst35uM背景:$7Bnの積立不足。年3%のインフレ調整を停止;退職年齢を62→67歳に引き上げ;新規採用公務員は積立額に応じた年金支払プランに移行。

    等などです。

    このように、米の地方公務員問題の本質は、民間からは確定給付型年金はほぼ消えたが、公務員には根強く残っているという点で、下記のチャートの通り
    支払い額は、2000年→2008年で$30B弱から$60Bn強に倍増しているのです。 


    そして、上記ではサンフランシスコ市やニューヨーク州の財政問題もあげましたが、今では大した問題になっていません。しかしながらデトロイト市の財政は破綻しました。違いはサンフランシスコ市やニューヨーク州は、テクノロジーや金融等の金払いの良い成長産業があり(=法人税収!)、それらの産業の従事者は稼ぎも良く(=所得税収入!)、また富裕層も多く住んでいます(=キャピタルゲイン税収入)。よって、景気がよくなると、税収がアップして、財政問題を解決してくれます。一時期、財政破綻が話題になっていたカリフォルニア州も、テクノロジー産業の好景気やIPOで着実に復活しています。

    このように、アメリカの地方政府は、「退職者への確定貯蓄年金や医療保険の支払いが確実に増え続ける」という足かせを負ってますので、「人口を増やす」、もしくは、「税金をちゃんと払ってくれる上位25%層の増やす」かで、税収増を続けて行かなければならないのです。よって、「市内に富裕層が増えて、中間層や低所得層を追い出している」と批判されるNYCやサンフランシスコは、市政府としては正しいことをしているのです。別の言い方をすると、ちきりんさんブログ記事にもありましたが、経済成長しないという事は、高齢者(退職者)や低所得者等の弱者を切り捨てざるおえない社会を意味します。

    デトロイト市の今後ですが、今回の破産における交渉で、かなりの額の固定負債支払い(退職者への年金・医療保険支払い)を減らすことができます。よって、新生GMやFordがV字復活してように、身軽になって現市民にはプラス面のほうが多いんじゃないかな?デトロイト市も、負債の支払いを止めたので、市民サービスは向上するって公言してます。警察の人員が増えれば、安全なり、安い不動産を欲して、人口流入も増えるかも知れませんしね。今後、税収が一気に増加する可能性が低い地域の自治体は、破産して、過去の支払い義務を一気に整理して、出直すパターンが増えるんでないですかね?

    最後に、日本に対する教訓をさらっと書いておきます。アメリカの公務員は1980年以降、人員削減や給与の低下などを受け入れて来ましたが、最後の砦の確定貯蓄年金や退職後の健康保険は守り続けてきました。現在の最大の問題は、最後の砦が切り崩されつつあるという点です。日本の場合は、給与削減が現在始まった段階で、人員削減はまだ手付かず(新卒採用抑制はしてますが)で、確定貯蓄年金に関しては、大した議論にもなっていません。今後、10年くらいで、人口減や税収減が顕著になり、人員→退職者年金・福利厚生にメスを入れる事になるのでしょうね。日本航空の退職者への支払いヘアカット等が、一つのベンチマークになるのかな?

    では、Happy Investing!!!

    P.S. 下記は、マッキンゼーが作成した、1978年から2010年にかけて米国都市圏のGDP推移です。勝ち組と負け組都市圏の傾向がかなりわかりやすく表記されてるとおもいます。サンフランシスコはサンノゼと合算して$410Bnの全米第4の都市圏と認識するとよいとおもいます。


    収入の「質」を、松浦「富裕層重税」発言から考える。

    $
    0
    0
    エイベックスホールディングの松浦社長の「富裕層増税で日本から富裕層が消える」は、話題読んでますね。遂にヤフトピのにまで昇格してしまいましたw 松浦氏の発言とそれに関連するニュースは以下の通りです。


    この手の議論になると、フローの収入である「所得税」とストックの収入であるキャピタルゲインの税率、資産持ちの「富裕層」と高額の給与を得る「高額所得者層」の定義がごっちゃになりがちなので、整理して考える事が必要です。
     
    まず、「富裕層」の定義ですが、世界的な流れでは、フローの収入ではなく、保有資産で富裕層を規定います。クレディ・スイスBCGCap GeminiKnight Frank等が富裕層レポートを毎年発行していますが、これら会社の富裕層はHNWI(High Net Worth Individual)と規定され、最低で流動性のある資産を1000万ドル(10億円程度)保有している事が条件とされています。逆な言い方をすると、世界的な観点からみると、外資系金融に勤務し、年収1億円を稼いでいても、資産がなければ「富裕層」とは認定されてません。

    なぜ、富裕層と高額所得層を分けるのが必要かというと、フローの収入に対する所得税率と、ストック(資産)に対するキャピタルゲイン税率は、まったく異なるからです。

    いわゆる先進国の所得税率はどの国も累進課税制度をとっていますが、どの国も地方税や州税を含めると最高税率は50%前後ですね。また、給与所得者は一番課税をしやく、政治力もないので、財政赤字に悩む先進国政府の殆どの国で、税率アップの動いています。日本も最高55%まであがりますし、仏ホランド政権は税率75%までの引き上げを検討しています。アメリカでも年収25万ドル以上の税率は2013年1月をもって上昇しました。

    所得税に加え、給与所得者には社会保障税がどの国でも5~10%近くかかり、これは給与収入に一律にかかります(課税所得の上限を設けている国は多いです)。

    しかしながら、富裕層の主要収入であるキャピタル・ゲイン税に対しては、各国税率を低くおさえています。アメリカでは、不動産も株式も、保有1年以上の「長期投資」のキャピタルゲイン税率や配当税率は20%程度と所得税より低く、この収入には社会保障納税の義務はありません。ヨーロッパの先進国ではこれらの税率が25%前後の国がおおいようです。日本の場合は、現在優遇税制が適応されていますので、株のキャピタルゲイン(短期売買含む)や配当税率が10%と、先進国の中では最低の資産課税率といえます。

    このように、資産収入に対する税率は所得税率より、かなり低く設定されて、各国政治力のある富裕層を優遇しています。また資産収入は、減価償却を使った節税効果もあったり、買い替え時に非課税特例等もあったりします。このような背景から、年収$40M(40億円)の收入(殆どが不労収入)の大富豪ウォーレン・バフェット氏の実効税率は17.6%、彼のスタッフ達(ほぼ給与收入)の実効税率の平均は36%という、富裕層への税率が低くなる仕組みができています。給与収入と資産からの収入は、収入の質がまったく異なるのです。僕が会社員を辞めて、資産投資にシフトしたのも、収入の質の違いに気付いたからです。

    これは「金持ち父さん」の本にも書かれていた非常に需要なポイントで、ラットレースから抜け出し、金銭的な成功を得たければ、フローの収入に加え、ストック資産と収入を増やすのが必須です。

    さて、松浦氏の収入具合を分析してみましょう。まず、松浦氏は、エイベックスの持ち株の価値が90億円位保有しているので、松浦さん、あなたは完全に「富裕層」です!収入の内訳は、上記のニュースの教科書の記事に細かく書かれていますが、以下の通りです。
    • エイベックスHDからの役員報酬が4億5000万円(税率50%位でしょうね)。
    • 松浦氏資産管理会社への配当収入は1億1275万円(法人税率40%位、しかし経費使えるから、実質税率30%位?)
    • 松浦氏個人への配当収入は7468万円(税率10%)
    • 総収入約6億3744万円
    • 納税額は約2億6629万円
    • 実効税率は41.77%
    う~ん。日本在住の皆さん、実効税率42%・約2億6629万円も税金払ってくださってる松浦氏に感謝しましょうね。松浦さんが、日本の税率の高さに文句言いたくなるのは、わかりますね。でも、松浦さんの場合は創業者+オーナー社長で、その権限を維持するために個人と資産管理会社を通してエイベックス株式の7.38%も保有しているので、税率面や資産分散面からは、ちょっと片手落ちの資産運用となりますかね。資産会社保有株式を53億円程度保有しているので、キャピタルゲイン税が10%と低いうちに売却して、エイベックスの2.11%より高い配当利回りの会社の株でも買えば、税率は10%まで落とせます。

    しかし、エイベックスの持ち株比率が低下すると、松浦氏CEOの地位と役員報酬の4億5000万が危うくなりますね。という事なんで、その辺のジレンマを松浦氏は抱えていて、それがFacebookへの「富裕層増税批判」に繋がってるのかもしれませんね。

    ということで、「富裕層」になるためには、収入の質を理解しよう、という書き込みでした。

    では、Happy Investing!!!

    2020年に向け、東京には真のグローバル都市を目指してほしい。 祝、東京オリンピック!

    $
    0
    0
    東京の2020年のオリンピックホストシティ決定、おめでとうございます!「失われた20年」に代表される日本没落論が、蔓延していたので、非常にエキサイティングなニュースですね(森元首相本当に嬉しそう↓)。

    東京は間違いなく「世界都市」の一つではあるのですが、日本の経済的地位の低下に伴い、東京のプレゼンスも低下傾向です。せっかくですから、このオリンピックを契機に、東京をロンドン・ニューヨークと競り合えるようなグローバル都市として、都市計画を政府や東京都にお願いしたいと思います。国予算での東京への集中的な投資を、地方からの反対を押し切って進める事ができる最後の機会だと思います。

    まず、東京(というよりも東京都市圏)の立ち位置を検証してみましょう。

    現在

    - まず人口ですが、東京都市圏は3724万人で、ダントツで世界最大の都市圏で、1950年代からその地位を維持しています。 http://bit.ly/LkqO87
    - 都市圏GDP的にも、東京都市圏は$1479Bnと世界最大です。 http://bit.ly/bEjWIi
    - しかしながら、一人あたりGDPは$4.1万ドルで、NYの$7.3万ドル、ロンドンの$6.6万ドルと比べると見劣りします。 http://bit.ly/bEjWIi

    将来

    - 2030年にはジャカルタ都市圏の人口が3837万人に達し、東京は第二位に陥落します。また、マニラ、ムンバイ、デリー都市圏の人口が3000万人を超えます。 http://bit.ly/a9xWjh
    - 2025年の東京都市圏のGDP($1981Bn)は世界一位を維持しますが、NY($1915Bn)と肉薄します。 http://bit.ly/b8vBdO
    - 一人あたりGDPも、NY(9.3万ドル)、ロンドン(9.5万ドル)と比べると5.4万ドルと6割程度と低迷します。 http://bit.ly/b8vBdO

    下記は、マッキンゼー研究所の2025年の世界の都市圏経済の予測ですが、経済成長や一人あたりGDP面での東京の地盤沈下が明らかです。
    イメージ 1

    次に世界の大都市の各種Global City Rankingをみてみましょう。

    - 世界都市のトップ2はニューヨークとロンドンというのか下記から明らかですね。
    - 東京の立ち位置的には、パリと第三都市を争う感じでしたが、今では、シンガポールと香港に抜かれつつあります。

    イメージ 2

    以上、東京はじわじわ地盤沈下しているわけですが、1)日本という巨大市場の内需の低成長と、2)ビジネスや文化的なリーダーシップはわけて考えるべきと思っています。

    ついこの間までは、日本のGDPは米国に次ぐ世界第二位で、巨大な内需を当てにして、世界中の企業が日本市場に入ってきました。また、アジア内で、ダントツの市場規模を誇っていたので、多国籍企業のアジア拠点としても重要なポジションを担ってきました。僕は、外資系広告最大手のマッキャンエリクソンや、ジーンズ最大手のリーバイ・ストラウス社、また米ヤフーで、アジア向けのマーケティング戦略などを担当しました。これらの会社では、2000年前半までは、日本市場の売上高は米国に次ぐ規模で、アジア市場の半分以上を占めていました。しかしながら、2000年代の中国や東南アジアの新興国の高経済成長で、多くの多国籍企業は、低成長の日本市場はメンテナンスモード(刈り取りモード)に入り、新規投資を新興国に重点的に振り分けてきました。その流れで、アジアの拠点も香港やシンガポールに移っていきました。実際、経済産業省の2010年調査では、外資企業アジア・オセアニア地域における地域統括拠点は、シンガポール24%>中国>23%>香港19%>台湾7%>韓国7%>日6%>豪5%なっています。グローバル都市としての東京の地位の地盤沈下も、シンガポール、香港、シドニー、北京、上海の勃興に、足を引っ張られている形ですね。

    少子化や高齢人口増で日本市場の低成長は、避けがたいとは思いますが、2)のビジネスや文化的なリーダーシップについては、東京は最、強化する余地があると思います。そのためには、「今までは巨大な市場を背景に黙っていても海外からの投資が集まった」、という恵まれた環境にあぐらをかくをやめ、シンガポール、香港、シドニー、北京、上海との競争に勝ち抜き、東京を「アジアで最高のグローバル都市」に引き上げ、ロンドンとニューヨークと同格の三極ポジションを獲得することが、必須と考えます。

    これは過去のブログ記事での分析ですが、東京都市圏は日本のGDPの37%、人口の33%を占めているのですが、総歳入(税収)受取りは31%足らずです。これは、日本政府が大都市圏の富を地方に補填してきた悪しき伝統の典型だと思います。そのため、日本の低成長化に伴い、東京の世界的な地位も下げる事になってしまいました。日本のGDPが低成長が前提ならば、メリハリを付けて、東京を中心とした、名古屋と大阪の三大都市圏に、国の予算を集中投下して、大都市圏では少なくとも世界的な競争力を強化することが必要でしょう。東京のオリンピック開催は、大義名分をもって、東京へのインフラ投資を、政府として進める事ができるので、今までの地方へのバラマキの悪しき伝統を断つ良い機会かと思います。

    そして、安倍政権(アベノミクス)の第三の矢である構造改革を進め、1)若年層に希望の持てる経済や雇用環境、2)世界中のビジネスや人材が集まるビジネスフレンドリーな都市、3)起業のしやすい環境、等をドンドン進めていってもらいたいと思います。下記はPWCの世界都市分析チャートですが、東京の弱みは、人材、ビジネスのしやすさ・コスト、自然環境、経済の力強さ、と指摘しており、ある意味ドンピシャリだと思いますので、課題は明らかですね。
    イメージ 3

    以上、これからは、国と並行して、都市間の競争の時代です。東京は、2020年東京オリンピック開催都市という素晴らしい大義名分をうまく利用して、ロンドンとニューヨークに並ぶ世界都市に、仕込んでいってもらいたいと思います。

    では、Happy Investing!!!

    P.S. 世界都市分析に興味のある方は、下記のリンクを参照ください。
    - Hot Spot 2025 Citi/Economisthttp://citi.us/17gSDYr
    - Global Power CitiesMori Institutehttp://bit.ly/xhG6xu
    - City of OpportunitiesPWC/NYChttp://pwc.to/UW1BBz
    - Global City IndexAT Kerneyhttp://bit.ly/18EaMOK
    - KF Wealth ReportKnight Frankhttp://bit.ly/X5n2Sz
    - Global Financial Center IndexZenhttp://bit.ly/17K8POH

    米スマホ買い替えプランの不都合な真実

    $
    0
    0
    2013年9月20日、iPhone 5Sと5Cが発売されましたね。もう、買い換えた方や、買い替え検討中の方も多いと思います。

    米国では、iPhoneやサムソン等の携帯が、一年毎に大型アップグレードを迎える事が多くなりました。常に最新の機種を保有していたい層に向けて、モバイルキャリア各社が20ヶ月から、24ヶ月の分割払いで、その機種を下取りに出すことで、12ヶ月毎に新機種にアップグレードできるプログラムを発表しています。

    僕はAT&Tのユーザーですので、この際、通常のアップグレードモデルとNEXTを、スマホ本体への支出と買い替えに伴う3年間の保有コストで計算してみました(売上税等の税金は計算していません)。下記はiPhone 5Sの16GBを新規契約して、今後36ヶ月に12ヶ月毎に新製品に買い換えるシナリオです。右のコラムの通常の買い方(新規に2年契約→12ヶ月後本体を契約なしで定価で購入し、古い機器を売却→12ヶ月後に本体を2年契約で購入し、古い機器を売却→12ヶ月後に携帯契約解除)のほうが、Next(契約縛りなし分割売買、12ヶ月毎買い替え)よりも半額程度の$691で済みますね。

    イメージ 1

    同様の比較を、iPhone 5S 64GBで行っても、NEXT$1530に対し、通常2年契約$871と、圧倒的に通常契約がオトクです。

    イメージ 2

    この比較をみると、AT&T NEXTやVerizon EDGEは、「通常の2年契約だと、2年に一度しか機器のアップグレードができない」、「契約中に新規機器の買い替えで、定価を払うのは嫌だ」という、ユーザーの無知や心理的な弱みにつけこんだプログラムというのが、明白ですね。実際、テック系ニュースサイトのThe Vergeは、「AT&T NEXTは巨大なイカサマ」という記事を書いています。

    AT&T's Next phone upgrade plans are a huge ripoff | The Verge http://bit.ly/1gME8hg

    契約中の買い替えで、現金で本体を買い換える資金力があり、GazelleやAmazon等のスマホ買い取りサイトで下取ってもらうのが面倒でない方は、AT&TやVerizonでの分割プランは避けたほうがいいでしょうね。

    さて、昨日ツイートしたのですが、ソフトバンクに買収された、米モバイル第3位のSprintのOneUpというプランは、かなりのインパクのあるプログラムだとおもいます。なんと、月額$65で通話、データ、SMSが使い放題です(そのかわり、24ヶ月の契約が必要)。

    もともと、分割払いのプログラムを仕掛けたのは、米携帯第4位のT-Mobileで、ネットワークはAT&TやVerizonに比べると悪いが、データ、通話、SMS使い放題月額$70が売りで、それなりの評価を得ています。Sprint OneUpはT-Mobileよりも通信環境の良いSprintが、T-Mobileよりも割安の月額$65での提供で、AT&TやVerizonの同等のプランより月額$45~$60位安い、というインパクトです。

    Sprint OneUpを契約し、12ヶ月毎に新規のiPhone 5S 16GB同等機器に買い換える場合の通信料含めた36ヶ月保有コストを計算してみると$3340になります(下記参照)。AT&Tで毎月$100の通信料を払うユーザーの$3991よりも15%程度オトクになりますね。でも、AT&Tの平均的なユーザーのARPU$65と比較すると、OneUpは割高になります。よって、通話、データ、SMSを24/7繋がっていたいパワーユーザーには、有効なプランなんでしょうね。特にAT&TやVerizonでは、データ使い放題プランはもうオファーしていないので、ある意味、比較しようがないですからねw

    イメージ 3

    その他、今回、もろもろのリサーチをして、気付いた不都合な真実は以下の通りです:
    • iPhone 5の下取り価格は、16GBが$300位、64GBが$340位で、新製品時の価格差が$200もある。下取り製品の多くは新興国に流れるので、エントリー機器の16GBの需要のほうが多いんでしょうね。実際、アップルも、大容量ほど、高マージンの価格設定の影響もあるんでしょうね。
    • 多分、一番オトクなのが、iPhone 16GBを2年契約で購入し、2年毎にアップグレードするパターンですね。2年落ちの16GBの下取り価格は$200強なので、製品のアップグレードコストはほぼゼロになります。
    • 契約中のキャリアへのキャンセル料金は、AT&Tの場合は、$320から毎月$10を引いた額なので、13ヶ月目でのキャンセル料は$200程度。キャンセル料払って、別キャリアで2年契約で$200で新iPhoneを手に入れるほうが、割安かもしれない。
    こう考えると、常に最新型や大容量ストレージを持っていたいユーザーが、一番吹っかけられるが、明らかだな~。煩悩を抑える努力をしましょうねw

    国より都市圏の時代? - 米各都市圏の成長率

    $
    0
    0
    アメリカは広大な国土を持ちますが、人口の84%、生産額の91%は都市部に集中しています。別の言い方をすると、広大の国土の10%程度の土地から、9割のGDPを稼いでいるという、都市化が進んだ国家です。また、2040年までに、米人口の2/3は23都市圏に集中し、その都市圏も10のメガリージョンに集積されるとも予測されています。また、米国最大のNY都市圏のGMPはメキシコやカナダと同規模という巨大さです。

    さて、米政府統計局が、2012年のアメリカの各都市圏のGMP - Gross Metropolitan Product(圏内総生産)を発表しましたので紹介します。

    まず、2012年の上位25都市圏を御覧ください。各都市圏のGMP、成長率、その都市圏と同等の経済規模の国がチェックできます。

    - 上位都市圏は、NYはメキシコ、LAはスイス、シカゴはポーランド、ワシントンDCは南アフリカ、ヒューストンはベネズエラと同等の巨大さです。
    - また、成長率に関しても、上位のIT景気に湧くサンフランシスコ7.4%、エネルギー景気に湧くヒューストンの5.3%等は、米国全体の2.5%よりかなり高い新興国並の成長率を達成しているのが確認できるとおもいます。
    - しかし、製造業失速気味のセントルイスやフィラデルフィアでは1%台の低成長率と、都市圏格差が明らかですね。
    イメージ 1


    次に、全米380都市圏で、GMPの伸びが高かった上位25都市圏をチェックしてみます。

    - 基本的に気候が温暖なサンベルト地域の中小都市圏が多いですが、ここでも、全米10位内の経済規模のIT景気に湧くサンフランシスコ7.4%、エネルギー景気に湧くヒューストン5.3%の伸び率の高さが際立ちますね。
    - ここで目立つのは、エネルギー景気に湧く都市圏が、上位独占している点ですね。TX州のミッドランド、オデッサ、ビクトリア、コーパス・クリスティ、ND州のビスマルク、ファーゴ、LA州ニューオーリンズ、CA州ベーカーズフィールド等の急成長は、シェールガス・オイルブームの影響を相当受けてるでしょうね。
    イメージ 2

    詳細はここでは割愛しますが、380都市圏中70都市圏は、マイナス成長だったという事実も重要だとおもいます。「アメリカ」をざっくり一つで見るより、都市圏や州の経済を理解すること無しには、アメリカを理解することもできないと思っています。

    以上、不動産投資をするうえで、投資先都市圏の選定は最重要ポイントですので、ご活用ください。

    では、Happy Investing!!!

    P.S. 米統計局発表データや、380都市圏の成長率をエクセルでまとめたものは、こちらに貼り付けておきます。 

    米Gen Y世代と住宅市場

    $
    0
    0
    外国株ひろばMarket Hackの広瀬さんが、ミレニアル世代(Gen Y層)の台頭と、住宅市場に関して興味深い書き込みをしておりました。僕もこの世代の台頭や、米国の住宅需要の急変を予測し、過去の5年間は「ロケーションの良い街中のアパート」への投資に切り替えてきました。勝手知ったる分野なので、いくつか追加データで僕の見解を述べようと思います。

    ミレニアル世代と住宅市場 住宅着工件数は昔の水準には戻らない Market Hack http://bit.ly/1aDRGYF

    まず「ミレニアル世代」の説明と傾向は以下の通りです:



    よって、広瀬さんいわく、「僕の考えでは回復途上にある住宅着工件数は、とうぶんリーマンショック前の水準までには回復できないと思います。」となります。

    ここからは、僕の見解です。まずアメリカの賃貸世帯数は、2010年3771万から、2015年にかけて820万世帯の増加し4592世帯に増加予測です。 http://bit.ly/MWNNWf

    そして、その820万世帯の内訳ですが:

    - 一軒家に住む賃貸世帯は450万世帯増加する予測ですが、うち300万世帯は差し押さえ等で持ち家を失った世帯です。新規の一軒家に移り住む需要は、Gen Y世代を中心として新規形成家計が40万程度、アパートからの移動110万世帯、計150万世帯に限定されます。

    - アパート等の集合住宅には370万世帯世帯増加で、そのうちGen Yを中心とした新規世帯390万の貢献です(+持ち家を失った世帯90万、一軒家への移動110万減)。

    と、街中に位置する事の多いアパートへの新規需要が、郊外に位置する事の多い一軒家より高まってる事が明らかですね。


    別の調査でも、米賃貸人口は08年→15年で600万世帯増加予測となっており、 http://t.co/Qq8vl2JF世帯構成で増えているのは、シングルマザー30%+>独身男性+21%>シングルダッド+14%>独身女性+13%>ルームメイト男女+9%>こなしカップル+4%です。郊外の一軒家より街中のアパートが「核家族」の需要が強いのは明らかですね。

    また、Gen Y世代は、日本や欧州と同様に「失われた世代」と呼ばれており、雇用状況非常に厳しいです。

    米25歳以下の失業率は15.6%と高止まり;正規雇用率は50%程度;中間給与は07年より5%減;12%は最低賃金以下。2013年9月WSJ紙

    アメリカではガソリンや保険料が高騰し、実質的な車の維持費は年$5000とか$6000と言われていますので、金銭的に車を持てないというのが、街中居住指向の一番の理由かと思います。


    このようにGen Y層を中心とした、新規世帯の増加と、賃貸需要増で、米のアパートの家賃の上昇と空室率の低下は止まりません。 http://bit.ly/sdFYVO

    不動産デベロッパーも上記トレンドをしっかり察して調整しています。06年ピーク時は180万戸新築供給があり、内訳は一軒家147万戸、集合住宅34万戸で、一軒家比率は81%でした。下記は、NAHBの新築内訳調査ですが、一軒家建造数は直近の2013年8月データで63万戸程度で、一軒家比率は70%まで下がり、集合住宅比率が30%程度まで上昇しています。一軒家の新築は増加傾向ではありますが、広瀬さんの指摘する通り、年150万戸まで回復することは、僕も考えられないと思います。

    雇用社側でも、Gen Y層に魅力のある職場を提供するために、郊外からダウンタウンへの職場の移動が急ピッチで進んでいます。

    というわけで、Gen Y層(ミレニアル世代)は、今後のアメリカの消費や不動産の傾向について、大きなインパクトを与えるのは確実なので、色々コメントしてみました。

    では、Happy Investing!!!

    P.S. Gen Y世代に関するつぶやきは以下の通りです。

    Gen Y層の買い物や娯楽についての調査 ULI http://bit.ly/12AjwnE

    米世代別の住宅、コミュニティ、公共交通嗜好の分析・調査 ULI http://bit.ly/IGEV8L Gen Y、Gen X、Boomer等の世代別の傾向調査。

    若くて活きが良いGen Y層の従業員を雇用するために、米大企業はダウンタウンにオフィスを移動する WSJ http://on.wsj.com/1iEdvBc 職場の郊外化が進んでいたシカゴで、モトローラ、ユナイテッド航空、ヒルシャイア等の大企業が街中へ職場を移動中。

    米ティーンの車離れ WSJ http://on.wsj.com/1ckcDyI 高校3年生の自動車免許保有率は1996年85%→2012年73%。最大の理由はティーンの失業率の高騰(18%)=車保有が経済的に無理。

    ボストン市、新規開発集合住宅への最低駐車場数を緩和へ BG http://b.globe.com/12P1DT3 以前は1ユニット=1駐車場から、0.75位まで緩和。背景、人口増加は20-35歳のGenY層が中心で、彼らの58%は公共交通期間で通勤する。

    若者の車離れ米国編、、、、⇒米新車購入に占める55歳以上比率は08年33%→13年40%。18~35歳は14%→12%。http://on.wsj.com/1dmXnPw

    米都市圏、都心部、副都心、郊外の雇用増減 ブルッキングス http://bit.ly/18qONg9 08年金融危機は伸び率が一番高かった郊外の雇用を鈍化させた。ダウンタウンの雇用は07年から下げ止まり。←街中の強み?

    Generation Y世代のライフスタイル調査 ULI http://bit.ly/12AjwnE 調査対象である18-35歳の24%が親と同居。収入が少なすぎて、独立出来ないのが理由だと思うが、この層のスタートダッシュの遅れが、将来の賃貸増につながる予感。

    GenY世代は、米国の不動産のあり方を変えるか? WSJ http://on.wsj.com/1095BoS 現段階での賃貸や街中居住指向は確かなのだが、家庭を持ち、子育てをはじめるとどうなる?個人的な意見としては、格差の広がりで、結婚出来ないシングル層が増加→街中賃貸需要大。

    先進国車離れエコノミスト誌記事 米英加仏韓等で若年層の免許所得年齢が上昇中。http://t.co/pFtODoI2 独若年層世帯の非車保有率は98年20%→28%。

    続・先進国車離れ http://t.co/pFtODoI2 理由:若年層の高失業率と所得低迷で、車維持が経済的に難しい。かつては車の保有が世界との繋がりや自立を意味していたが、昨今の若者はインターネットやSNSが世界繋がりを見出す。

    続・先進国車離れ http://t.co/pFtODoI2 カーシェアリング普及率が若年層ほど高くなる。その理由の一つとして、気分によって乗る車を替える楽しみ。また、若年層程車を「移動の道具」として捉える傾向。

    続・先進国車離れ http://t.co/pFtODoI2 オックスフォード大調査では、20代後半での運転免許を取得の生涯走行距離は、10代後半での免許取得より20-30%少なくなる。

    続・先進国車離れ、都市化の影響
    http://t.co/pFtODoI2 米国で人口300万以上の都市圏に住む世帯の非車保有率は13%、農村部は6%。ロンドンでは非車保有率は1992年より上昇中。

    続・先進国車離れ、公共交通機関利用率増加 http://t.co/pFtODoI2 OCED参加国での鉄道対道路の予算比率は15%→23%に増加。年収7万ドル以上世帯の公共交通機関利用率は01年→09年で100%上昇。

    続・先進国車離れ、「スプロールの壁」
    http://t.co/pFtODoI2 郊外へスプロースする都市開発は、渋滞増加やガソリン高騰で機能しなくなった。米上位51都市圏では都市部人口の伸びが、郊外の伸びを超えた。

    Venture Beatのインフォグラフィックスによると、エンジニア雇用の60%がサンフランシスコ市内らしい。時代は街中! http://bit.ly/YdSUVP

    ミレニアム(GenY)世代は、失われた世代か? http://bit.ly/13iTPIk 20代にリーマン・ショックに直撃。80年代と比べ、車の購入における21-34歳の比率は38%→27%、住宅ローンは半減。衣服や食は、過去よりも安く、スマホで何でもできる世代でもある。

    100年ぶりに、都市部の人口増加が郊外を超え AP http://t.co/dRyA7M6S 米51大都市圏中33都市圏で都市部の人口増加が郊外を上回る。背景:ガゾリン高騰;若年層の車離れ;エコ指向;仕事のオプションが多い;短距離通勤指向。

    『バロンズ』の巻頭特集はミレニアル世代 MarketHack http://bit.ly/Y4qb8M GenYとも呼ばれてます。現在18歳から37歳で、8,600万人で、米人口の27%を占める。

    Gen Y層にとっては、部屋の広さより交通の便利さと買い物のしやすさが重要 HW http://t.co/3sV4Ji0b 6割のGen Y層は小さくてもよいので「ひとり暮らし」したい。

    米アパート需要が上がる背景⇒米Gen Y層の失業率低下中 HW http://t.co/lYlp5NLp 大卒25-34歳の失業率は7.7%まで下落。若年層の雇用率もこの1年で73.9%→76.6%まで上昇。

    NYやSF市内等、街中にテック起業が集中する訳 WSJ/フロリダ氏 http://t.co/Vxu6OptQ 理由:若者は歩ける都市に住みたい;ネット起業に大スペース不必要;技術の応用は他産業と隣接が有利;デザイン人材は大都市に集中;

    テック起業は街中!⇒ツイッターがシスコ中心部に本社を移転した本当の理由 クーリエ誌 http://t.co/eVaRVAyz 「シスコ」という表現は使ってもらいたくなかった、、、

    SF市内のハイテク雇用は2000年の34,000人超え LAT http://t.co/kLh5XoX Twitter、Zynga、Salesforceに加え、多数のネット起業が貢献。アパート空室率は1%以下、SOMA地区では年賃料が30%アップ。GenY層の街中指向

    起業は街中!ピンタレスト、SFのSOMA地区に本社オフィスを引越し! http://t.co/DtWZRggT やはり消費者系ネット企業はSFの街中に位置したほうが人材もマーケティング的にも好ましい。Palo Altoより家賃も安い

    米GenY層はV-8より4Gが好み?BBG http://t.co/w1kie9nn 18-34歳の車購入貢献度は07年17%→12年11%まで下落。高失業率と低所得に加え、年$3000のテクノロジー関連支出で、車離れ。

    「アメリカン・ドリーム第二章」 NYT http://t.co/iH9hCIza スプロールの果ての郊外の一軒家購入がアメリカン・ドリームだった時代の終わり。第二章は街中に、と@Dwell誌編集長のコメンタリー

    米自動車各社がスマホ化を一気に進める背景は、当局の「走行中の携帯使用全面禁止」法案化潰しに成功したから。さすがの政治力。 http://t.co/nyCBEG14 しかし、10代・20代のクルマ離れは着実に進んでいるので、メーカーも本気です。

    不動産投資は街中で決まりですね⇒米Gen Y世代のクルマ離れ+賃貸指向 Atlantic http://t.co/uwnnzUjR これは不況による一時的な要因でなく、構造的な問題。低給与、高失業率、スマホ、街中指向、エコ指向等の複合要因。

    全米各地で、デベが郊外よりも、街中の不動産開発に力入れている USAtoday http://t.co/RnTewf7x 街中回帰がジワジワ来てるな、、、

    米88%のGenY層は都市部(SFのような)に住みたい NAHB http://t.co/oQcldHNw  80年から00年に生まれたGenY層の人口は8千万人と巨大。1/3は歩ける近所にプレミアムを払う;2/3歩けるご近所は重要;1/2は小さな敷地で歩ける優先。

    米若者の車離れ加速中 Ad Age記事 http://t.co/rxht1eJG 自動車免許保有率16歳50%→31%、18歳86%→68%。21-30歳の運転距離シェアは20%→13%。ネット普及→公共交通機関使用度アップ+環境保全意識。10年から20年で車離れがより加速

    米GenY層(ミレニアムとも呼ばれる)特徴 http://t.co/c1Ct1Q9q 年齢15-32歳;人口7740万人でブーマー層より大きい(あわせて50%+);6割が大学進学;年400万人が社会人に;37%賃貸・35%自宅保有;26%が親やルームメイトと住む

    SF市内のハイテク雇用は2000年の34,000人超え LAT http://t.co/kLh5XoX Twitter、Zynga、Salesforceに加え、多数のネット起業が貢献。アパート空室率は1%以下、SOMA地区では年賃料が30%アップ。GenY層の街中指向が背景

    米不動市場の大きな潮流 ULI http://t.co/k9Y0ucA 街中のアパート需要増と通勤に便利な郊外の高密度住宅開発。背景:大量のベビーブーマー層の退職;GenY層の世帯創造;都市部の魅力増加;40年1.5億人の人口増加;小家族化;街中賃貸不足;光熱・エネルギー費上昇

    米で石油価格高止まりと中低所得層の給与停滞が続く限り「郊外」不動産価値は停滞したまま BI http://t.co/YL1maLxU シラー教授も「郊外不動産」は石油価格高止まりが続く限りダメで、歩ける街中不動産に需要がシフト、と言及http://t.co/zs28JPxY

    GenY層は車嫌いで歩ける街好き http://t.co/lYRkepX RT そういえば、サンマテオでもマウンテンビューでも、駅前レストラン街ビル上層階に小さいスタートアップがはいってますね。若い人がSFに住んで列車で通える

    街中不動産人気背景⇒米若者のクルマ離れを指摘するGristの記事 http://t.co/w67w8qg4 背景:16歳免許保有者は46%→31%;18歳80%→65%;車保有費用(購入費用除く)は年$8500に暴騰(18-24失業率約20%);運転中はスマホやSMSが使えない。

    バンクーバーの暴動も、格差広がりで取り残された若年層の不満爆発との分析も http://t.co/nShGaiz 平和を好むカナダ・バンクーバーで起きたちょっとした衝撃な事件。雇用状況は不安定で低給、不動産は高騰。取り残されたGenY層の不満が爆発?

    米、過熱するアパート賃貸市場 NYT http://t.co/2PUcsxHn 米全体で賃料は2.4%上昇、空室率は5.2%まで低下。理由:自宅保有率低下、職の伸びの60%20-34歳、ガソリン高騰で街中集合住宅人気、住宅ローン審査厳格化、不透明な将来で買い控え

    こちらは「GenY・Millenials層の人材獲得競争が、ダウンタウンのオフィス需要を増やす」という、ラインバーガー教授のブログ http://bit.ly/oGQnya

    シカゴ市は過去10年の人口は-6.9%だったんですが、ダウンタウンの再開発の結果中心部の人口は倍増し、いわゆるクリエイティブ・クラスの高収入世帯が増えたんですよ。だから街中のカフェのMBA比率は高くなる http://t.co/l5ZAZ92j

    NY市、数十年ぶりに人口参入超過 NYT http://t.co/0Y3ytbey 2010年25.2万人が参入、退出は15.7万人のみ(06年は23万参入、34万退出)。理由:街中志向;景気停滞の中西部やバブル崩壊南西部からの引越し;そこそこ景気が良い。

    グーグルバス問題とサンフランシスコの階級抗争を理解するためのキーワード

    $
    0
    0
    ご存知だと思いますが、サンフランシスコ市は、テクノロジー系の雇用が活発だったり、ツイッター社のIPO等があり、空前の好景気に湧いています。その好景気の代償として、街をオラオラ顔で闊歩するテック系起業家達や、SF市に住みながらシリコンバレーまで会社のシャトルバスで通う従業員達に対する「取り残された層」の反発も急速に高まっています。

    そして、12月に入ってから、SF市内のMission地区や近隣のオークランド市のWest Oakland地区で、都市部に住んでいる従業員をシリコンバレーの郊外のキャンパスまで運ぶ「グーグルバス」に対する抗議活動が、大きな話題を呼んでいます。

    「くたばれ、Google」、その意味とは? http://bit.ly/1a1v84E
    米グーグル通勤バス妨害される、抗議団体「IT社員流入で家賃高騰」 ロイター http://bit.ly/J6UcRe
    「グーグルは、出て行け!」 - Market Hack http://bit.ly/1ju3K95
    Protesters block Apple, Google buses in San Francisco area | Reuters http://reut.rs/JRD3uW

    僕も以前は、SF市内に住み、シリコンバレーまで片道70㌔通勤をしていたり、不動産投資家としてサンフランシスコ市の住人の変遷等はつぶさに観察してきました。現在サンフランシスコ市で起こっている「階級抗争」とそのスケープゴートとしての「グーグルバス」について真相を理解するには、いくつかの複雑に絡み合ったトレンドやキーワードの理解が必須です。それについて、数値分析を通して僕なりの見解を下記の通りまとめておきました。かなり長くなりますが、参照ください。

    さらっとまとめると、僕の見解は以下の通りになります:

    - SF市のテック系新規住人に対する風当たりの高まりのスケープゴートに選ばれてしまったのがグーグル。問題の本質はシャトルバスではなく、SF市の複雑怪奇なレントコントロール賃貸市場と、テック系雇用の急増大。
    - レントコントロールを通した低所得者保護は重要だけど、高所得でレントコントロールに保護を受ける世帯が3割もいるので、そこら辺から手を付けて賃貸に出回る物件を多くし、賃貸供給増やすべき。
    - テクノロジーブームもシャトルバスにのってシリコンバレーに通う住民の増加もSF市にとって、税収面で基本的に良いこと。
    - この数ヶ月でテック系への風当たりが高まった背景は、数名の起業家の空気よめない発言と、低所得者の追い出しが急増し、追い出しを厳しくする法案を制定中だから。
    - サンフランシスコの強みは新しいものに対する寛容性なので、この手の問題も時間が解決する。
    - 高学歴・高収入住民の流入が庶民を追い出す図式は、NY、ロンドン、パリ等の世界都市どこでも起こっている事象で、SFだけの問題ではない。世界的に魅力のある都市の一等地には、それなりに裕福でないと住めない時代。そのケーススタディとして、最先端をいっているかもしれません。

    シャトルバス

    消費者系テック企業に勤める若い従業員は、文化的にエキサイティングなSF市内に住みたがる傾向があります。よって、サンフランシスコ市内から50㌔以上も離れた郊外に広大なキャンパスを持つテック企業は、SF市内に住みたい優秀な人材を確保するために2005年頃からシャトルバスを運行し始めました。そしてこのシャトルバス運行の先鞭をつけたのは、グーグルで、「新種の福利厚生」として運行当初はかなり話題になりました。僕は米ヤフーに2004年まで勤務していましたが、2006年にはグーグルに対向してヤフーもシャトルバスを運行し始めたのに「嫉妬」した思いがあります(笑 - 特に出発バス停が僕の家のすぐ近くだったもので、、、)。

    2011年の段階で、グーグルで2000人、アップル200人の従業員等が、延べ4-5000人が日々利用中とか言われていましたが、現在では、シャトルバスの一日あたりの延べ使用人数は14,000人位(SF市外からの輸送も含む)と推測されています。 下記が、アップル、eBay、EA、FB、グーグル、ヤフーといった主要企業のシャトルバス地図です。ポイントとしては、決してグーグルだけがシャトルバスを運行しているわけではありません。


    SF市行政側としては、渋滞緩和に促進する、SF市に高給与の住人が増える、等の理由で、基本的にシャトルバス運行はサポートしています。しかしながら、市バスのバス亭の無断使用や、路駐による渋滞などの問題が発生していますので、主要企業の責任者とSF市の公共交通運行期間はタスクフォースを結成し、問題点の洗い出しや、今後のシャトルの方向性について討議を重ねています。このように、シリコンバレーの大手企業が運行するシャトルバスは、SF市にとって基本的に非常に魅力的なサービスなので、今後も拡大していくと思います。

    こちらの記事や書き込みも参照ください:

    “高機能移民”が庶民を追い出す:日経ビジネス http://nkbp.jp/1l6u8BA
    シリコンバレー行きシャトルバス停と不動産の関係? http://bit.ly/tLG0WY
    グーグル・バスの絶望的なダサさについて - Market Hack http://bit.ly/1f2dEJ6 
    シリコン・バレー企業のシャトルバスで、サンフランシスコは変わってしまった、、、というSFクロニクルのコラム http://bit.ly/11sIN4m 
    グーグルのシャトルバスがサンフランシスコをダメにする? http://bit.ly/TFkXPT SFに30年以上住む著者の長尺記事。
    SF発シリコン・バレーの大企業行きのバスがSF市の不動産価格上昇を促進+庶民が住めなくなる Atlantic http://t.co/jKA1DSsf 

    サンフランシスコベイエリアの郡別通勤状況

    サンフランシスコベイエリアは、 Alameda、Contra Costa、Marin、Napa、San Francisco、San Mateo、Santa Clara、SolanoとSonomaの9郡から構成されれており、総人口は715万人に達し、一つの都市圏として認識すると、NY、LA、シカゴに次ぐ、全米第4位の人口を誇ります。

    雇用的には、SF市、East Bay、Silicon Valleyの3つエリアにわけられます。米の郊外化の象徴として、郡別の雇用数は、グーグル、アップル、インテル等のシリコンバレーの大企業が立地するのSanta Clara郡の雇用が86万と、SF市内の45万人を大きく上回っています。下記は、米Censusの2006から2010年にかけての郡間の通勤人数のまとめですが、SF市内から19,087人が50㌔以上離れたSanta Clara郡へ、43,423人が隣接するFacebookやOracle等があるSan Mateo郡に通勤しています。
    イメージ 3


    下記は、SF市内から、ベイエリアの主要郡への通勤人数の2000年→2010年の推移です。SF市内の通勤者の総人数は3.6%の増加にとどまりますが、Santa Clara郡への通勤人数は15,868→19,087人と20.3%も増加しています。SF市内からシャトルバスの往復利用者が5000人(延べ10000人)いると仮定すると、約4人に1人がシャトルバスを利用している換算になりますね。この伸びからみても、シャトルバスの導入はSF→Santa Clara郡の通勤者の増加のかなり貢献したのではと推測できます。
    イメージ 4


    サンフランシスコ市のテクノロジーブーム

    もともとサンフランシスコ市では、サービス業、政府関連雇用、会計・法律・広告・コンサル等のプロフェッショナルサービスが雇用の中心でした。いわゆる大企業は、郊外に大きなキャンパスを建て、SF市からの脱出を計るというのが今までの流れでした。しかし昨今では、20代若者男女を核とするGeneration Y世代には都市の中心部で、車のない生活が人気です。

    また、インターネットやテクノロジーが実生活に浸透し、スマートフォンの普及の影響もあり、テクノロジー企業が、新しいものに寛容な都市住民が住む場所でビジネスを展開するメリットも増大しました。起業の傾向もネットビジネスに移行したので、郊外に大きなオフィスをメリットもかなり減ったという背景もあると思います。

    そんなこんなで、米の大企業は若くて有能で、テクノロジーに強い人材を確保するために、こぞって市内にオフィスと移動しています。上記のシャトルバスも、都市に住む優秀な人材の囲い込みの一環といえるでしょう。

    実際、SalesforceやTwitterやZynda等は、IPO後もSF市内にオフィスを構え続けていますし、Pinterest等の有望なスタートアップもシリコンバレーからSF市内にオフィスを移転したりしています。


    雇用数をみても、SF市内のテック系の雇用は、2012年間に3.1万人→4.4万人と3割近く増えています。そして、テック系の中間年収は16万ドルに及ぶと言われています。2007年から2012年にかけての、米郡別のテック系雇用の増加率では、サンフランシスコ市では51.8%に達し、全米一の伸び率です
    イメージ 1

    これらの結果、サンフランシスコ市には現在1892社ものテック系企業が活動しています。

    University of California at BerkeleyのMoretti教授は、給与水準が高いハイテク職が一つ増える毎に4.3の間接雇用増効果ありと発表しています(製造業職は1.4職 25頁参照)( しかしこの調査は、アップル社等のシリコンバレー企業が資金提供していますので、評価は割れていますw)。

    高学歴・高収入テックワーカーが、庶民をSF市から追い出す?

    サンフランシスコ市では格差の広がりは、この20年位継続しています。所得階層別世帯比率推移をみると下記の通りで、90年→2010年で、平均年収より150%の高収入世帯24%→27%と増加し、50%の低収入世帯も27%→30%と増加しています。

    下記は2002年→2006年のデータですが、年収15万ドル未満世帯は軒並み減っていますが、年収15万ドル以上~20万ドル未満世帯は52%、年収20万ドル以上世帯は40%と激増しています。


    この背景にあるのが、東西海岸都市部の高学歴化です。2000年から2009年の郡別の大卒人口の伸びでは、サンフランシスコ郡の大卒住民伸び数は7万人近く、郡の人口が二倍以上であるマンハッタン、ブルックリン等の次ぐ数値です。2010年のCensusの結果ではサンフランシスコ郡の大卒比率は、51%に達しました。そしてこのトレンドを牽引しているのが、テック系の新規住人達です。

    都市として、増え続けるコストをカバーして行くには、人口を増やすか、住民の給与を上げるか(=税収増)しかありません。その観点から、サンフランシスコ市は、人も羨む勝ち組都市といえるでしょう。

    こちらの記事や書き込みも参照ください:

    サンフランシスコはお金持ちの大人の遊園地? http://bit.ly/iYdhQQ
    サンフランシスコはお金持ちの大人の遊園地?その② http://bit.ly/92sHHT
    サンフランシスコにお金持ちが増える理由  http://bit.ly/9RT5u1

    サンフランシスコ市の開発規制

    開発規制が厳しい場所は不動産が上がるよ」と以前から僕も指摘してきましたが、三方を海に囲まれ、起伏の激しいサンフランシスコは、アメリカでも有数な開発規制の激しさで有名です。家の建て替えをしようものなら、周辺のブロックの全ての住人から建築プランの承認を貰う必要があります。既存の住人としては、環境が守られるのでよろしいのですが、開発する側すると非常に厄介な状況になっています。開発規制の少ないテキサスでは、計画から1年以内に不動産が建てることも可能ですが、SFで同じ事をやろうとすると、許認可の期間を含めると3-5年かかることもザラです。これはのコストは建設コストに上乗せされますので、不動産価格が高くなるという背景です。

    サンフランシスコ市は過去に年1500室の新規住宅供給をしてきました。SF市は35万世帯ですので、新規供給率は0.42%という低さです。それに加え2008年の金融危機で新規開発がストップし、2012年は200室程度しか新規供給されませんでした。そんな中で、テック系の好景気で2012年には40,000を超える雇用がSF市内で生まれました。それに加えて、グーグル等のシリコンバレーの大企業に勤める若者たちが、文化的な生活を求めてSF市内に移り住んだりしていますので、住宅供給に対して、需要が相当過多になっていることがお分かりだと思います。

    需給の逼迫を受け現在はちょっとした建築ブームなんですが、新規コンドのSQF当りの平均売買価格がなんと$1100まで高騰しています。すると1ベッドのコンドの売り出し価格が70万ドルから(7000万円超え)という驚きの価格なので、庶民には全く手が出ませんw 

    賃料に関しても、2ベッドのアパートの中間家賃は$3250で全米一の高さです(マンハッタンよりは安いですが)。 この価格を支払うには、年間家賃の3倍の給与が必要なので、ざっくり年収12万ドルが最低給与です。またまた庶民には手が出ませんね。

    ここで起こるのは「椅子取りゲーム」で、高い賃料や不動産価格を払える裕福層増え、庶民層を追い出す図式です。

    レントコントロール=賃上げ規制

    上記の通り、サンフランシスコは基本的に住宅需要過多なのですが、話をもっと複雑にしているのは、既存の賃貸不動産の大半がレントコントロール物件だという点です。市場に出てくる賃貸物件はこの一年で10%以上は値上がりしていますが、レントコントロール対象物件は、2014年には1%の賃上げしか許可されません

    SF市内には約35万室の不動産が存在しますが、22万室が賃貸向けに供給されており、その7割(15.5万室)がレントコントロール対象なので、実質7.5万室しか自由競争にまわっていないのです。よって、この数年のように新規住人が急増すると、限定したパイを奪いあい賃貸料が急騰するという事になります。巷ででは、平均賃料が$3000を超えたと騒いでいるのに、米Census統計では平均家賃支払いが月$1400程度の収まっているのは、レントコントロールというからくりがあるからです(それでも全米一の賃料の高さ!)。

    ある調査では、レントコントロールのアパートに住む住人の29%が年収10.7万ドル以上で、3.4万ドル以下の低所得者層比率の27%より多い、といういびつな状況です。そのため、レントコントロールを嫌う大家が常に2万室程度を意図的に空室にしており、年間1000部屋が売買向けに転換されます=賃貸供給が減り、賃料上昇が加速します。

    そして、サンフランシスコ住人の62%は賃貸なので、政治的にもテナント側をサポートする動きが強いですね。

    レントコントロールを通した低所得者保護は重要だけど、高所得でレントコントロールに保護を受ける世帯が3割もいるので、そこら辺から手を付けて賃貸に出回る物件を多くし、賃貸供給増すべきだと思います。

    The Mission地区

    この通り、高学歴・高収入が庶民を追い出す図式は、過去何十年も続いてきたトレンドで、特に驚くことではないのです。しかし今回のグーグルバス騒ぎの発端であるサンフランシスコ市Mission地区の特性を理解するのも重要かと思います。

    Mission地区は、外国生まれ比率が39%で、自宅でスペイン後を話す人口が37%/ヒスパニック系比率41%の地域です。そして、中間家族年収も$57,897と、SF中間の$86,665より低い、低所得者層が多いです。

    しかしながら、この10年間程で、ジェントリフィケーションが進行し、現在ではヒスパニック系住民よりも流行に敏感な「ヒップスター」が集積するほうが有名だったりします。ブルックリンのWilliamsberg地区とならび、アメリカのヒップスター文化の中心として認識されています。


    そして、ロケーション的にシリコンバレーに向かうハイウエイの入り口に近いので、各社のシャトルバスの最終ピックアップ場所に指定されており、最先端文化に加えその利便性の高さから、テック系の住人に大人気になりました。不動産の価格も賃貸の値段の上昇も、この3-4年間ではSFのその他地域よりも一番値上がりしました。平均賃料は5割位上がったのではと思います。

    このように、現在のMission地区は、ヒスパニック系の古くから住む住人とテック系ヒップスター混在するエリアとなりました。下記はAirBnBのMission地区の紹介頁ですが「とっても複雑」という言い得て妙な表現をしています。良く言えば、ヒスパニック系低所得者とテック系ヒップスターが共存している。悪く言えば、それらのグループの格差の広がりが顕著になっていると言えます。


    Ellis Actsを行使したテナントの追い出し増加

    上記のようにサンフランシスコ市は非常に賃貸テナント有利な政策を敷いており、レントコントロールにより、家賃の上昇率が低く押えられています。それによって、市場に出回っている賃貸物件の中間賃料は$3000超えにもかかわらず、市民の家賃支払の中間価格は$1400というギャップが生まれています。上記のMission地区の賃貸比率は74%と高く、既存住人の中間家賃は$1000程度で、SF市内でも安い部類です。

    昨今のテックブームやシャトルバス亭近くという利便性の高さから、Mission地区の不動産は高騰しており、新築のコンドが161万ドル(1億6500万円位)という高値にもかかわらず即日完売したりしています。 

    このように、既存の住人に支払い家賃と、売買価格の乖離が天文学的になっているので、大家やデベロッパーは、既存のテナントの追い出しに力を入れるようになりました。レントコントロールされた部屋にすむテナントの追い出しは非常に難しいですが、Ellis Actという特例を行使すると追い出しは可能です(そのかわり、オーナーがその物件に住むや、物件をTIC売買向けに転用する必要があり、高値で賃貸に出すことはできません)。Ellis Actの行使がこ13年3月までの1年に170%も増え、その犠牲者が一番多かったのはミッション地区の住人でした。今までは、テック系ヒップスターと昔からの住人はなんとか上手くやってきたのですが、ここに来て「グーグル出て行け」がはじまったのは、Ellis Act追い出し増加という、政治的な問題に発展したからと言えます。

    イメージ 2

    実際、Mission地区をSF市議会議員のDavid Campos氏は、大家の支払うEllis Act追い出し関連費用(現在は平均で$5200/人)を高くし、追い出すインセンティブを減らす法案を作成中で、SF市長のEd Lee氏の賛同も取り付けています。Mission地区でのグーグルバスに対する抗議も、Ellis Actを難しくする法案をサポートする市民グループが引率しています。ガス抜きにしかならないとは思いますが、この法案は既存の市民を満足させるために、可決される事になると思っています。

    空気の読めない若い起業家達

    テック系新規住人に対する、SF市民のフラストレーションは、今年に入りかなり高まった気がします。その象徴的な出来事として、2人の起業家の空気の読めない発言がありました。

    まず最初が2013年8月の、Peter Shih君のサンフランシスコをディスるブログです。SF市の優遇税制を使って起業しておきながら、ホームレスの多さや、天候、女性のレベルの低さ等を偉そうに書き綴った事から、ブログ が大炎上し、SF一の嫌われ者になってしまいました。そして、数日後に謝罪ブログをポストしましたが、NY行きの片道航空券を送られたり、自宅近くに張り紙されたり、散々な目にあいました。

    次の空気読めない発言は、AngelHackのCEOだったGreg Gopman君で、SF市の目抜き通りのMarket Stに「ホームレスが多すぎて目障り」との書き込みをFBにしました。これも即座に炎上し、翌日には謝罪のポストし、AngelHack社も、実はGopmanはCEOを退任していいたのでもう関係ない、などとの声明を発表するに至っています。

    サンフランシスコ市民は、全米一で最もリベラルと言われ、市民の多様性や文化について非常に高い誇りを持っています。金銭的なメリットでSF市に移り住むテック系の新規住民が、ドヤ顔でこの手の発言を繰り返した事で、テック系住民への向かい風をとても高めたと思いますね。

    火に油を注ぐNew York Times紙

    テックブームによるSF市の格差拡大と階級抗争について、何故か、詳細をレポートしているのは、全国紙を目指すNew York Times紙です。マンハッタンやブルックリンの抱えているジェントリフィケーションとそれに付随する問題が、SFのMission地区とだぶるからですかね?原則的にSF特異な問題なわけですけど、NYT紙がカバーすることにより、SFの階級抗争問題は全国的に注目されるようになっていますw

    12年6月NYT記事⇒SF市、テックブームで職は増加も、中間所得層の暮らしがますます困難に。 http://nyti.ms/L9PZ9M市内のテック職増加と市内からシリコンバレーに勤務する若者増加で、平均家賃は$2,663までアップ。

    13年11月記事⇒高給テック系住人の増殖で、サンフランシスコ市内の既存住人との軋轢が、というNYT紙記事 http://nyti.ms/1ampYiS昨今の市内の家賃は平均$3000超えまで高騰し、レントコントロールされた低所得者層の追い出しも顕著。SF市としては、税収増でウハウハ。

    13年12月社説⇒収入上位層が公共交通機関を使わないSFベイエリアの格差は、NYCより深刻、と指摘するNYT社説 http://nyti.ms/JxHESI基本的にマンハッタンの抱えている格差問題はSFと同等以上だと思うけど、NYTは昨今SFをディスりまくり。

    高学歴・高収入住民の流入が庶民を追い出す図式は、NY、ロンドン、パリ等の世界都市どこでも起こっている事象で、SFだけの問題ではないす。世界的に魅力のある都市の一等地には、それなりに裕福でないと住めない時代。そのケーススタディとして、最先端を行ってるかもしれません。

    以上、長くなりましたが、Happy Investing!!!



    Viewing all 120 articles
    Browse latest View live