1月19日のWSJのニュースですが、積水ハウスが16,300区画が分譲できる土地を$500M~$600MでCalpers(カリフォルニア州職員退職年金基金)から購入したというニュースがありました。
Calpers Downsizes Housing Portfolio http://t.co/5U2gIhVp
米の住宅デベロッパーのNewland Realty GroupとCalpersが共同保有していた土地の、Calpersの持分を買い取る形で、Newlandと共同保有・開発していくそうです。
購入額はCalpersが出資した額面の5~7掛けで、一区画当たりの価値(現在は造成不可の更地の状態)は$35,000とか。今後の造成やインフラ作りなどを考えると、一区画の売却価格は$70,000位が採算分離点だと思います。具体的にどの都市圏の土地を購入したのかわかりませんが、僕はこの価格は高値掴みしてしまった可能性があると思っています。理由は以下の通りです。
まず、下記はNewland社の住宅開発地域と、その都市圏の一区画の価値です。ご覧の通り土地の価値は都市圏によってピンキリです。開発規制が厳しいSAN DIEGO$289K、DC$233K、SEATTLE$156K、PORTLAND$114K等の沿岸部の都市圏では採算分離価格の$70,000以上なので問題はありません。
「開発規制と不動産価格」 http://bit.ly/tXscs
しかしながら開発の大部分を占めると思われる内陸の都市圏土地は、DENVER$56K、CHARLOTTE$54K、HOUSTON$40K、SACRAMENTO$37K、DALLAS$33K、SANBERNADINO$30K、FORT WORTH$12,271、TAMPA$10K、SAN ANTONIO$10K、MINNEAPOLIS/ST PAUL$10K、PHOENIX$9K、ATLANTA$8Kの価値しかありませんので、これでは大赤字です。また、この土地の価格は、その都市圏の中間価格なので、新築が立つような、街の中心から離れた郊外の土地の価値はもっと低くなると想定されます。
Newland Communities http://bit.ly/zOtSvl
Aggregate U.S. Land Prices by Metropolitan Area http://bit.ly/yUFnK1
下記はPhoenixの土地の値段の推移ですが、2000年に$95Kだった土地の価格は、不動産バブルピークの2006年に$271Kまで跳ね上がり、2011年には$9.4Kまで暴落しています。理由としては差し押さえなどで、中古物件の供給が続き不動産価格がある意味「建設価格」より安くなっている状況です。
Phoenix Land Value 2000Q1 - 2011Q1 http://bit.ly/ySR62r
「2012年、米住宅不動産予測のまとめ」 http://bit.ly/wopLph
また、新築一軒家の着工ですが、2011年11月の時点で年44.7万戸で、ピーク時の、147万戸の1/3で推移しており、数年は改善しないだろうと個人的に思っています。http://t.co/JMuO7b0Y
具体的にどの都市圏の土地を購入したのかわかりませんのでなんともいえませんが、何か高値掴みさせられてような悪い予感がします。昨今は円高と成長の機会を求め積水ハウス、大和ハウス等が米の住宅建築市場に参入し始めており、日本人としては大成功してもらいたいのですけどね、、、、
では、Happy Investing!!!