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Channel: アメリカ/米国不動産投資日記
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2011年に景気の良かった世界の都市圏は?

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米政府系シンクタンクのBrooking Instituteが世界の200大都市圏の経済状態を分析したレポートを発表しました。僕は「都市圏」の経済における重要性の信奉者なので、サラっとまとめておこうとまとめておきます。

Global MetroMonitor Volatility, Growth, and recovery 2011 http://bit.ly/zQFmL6

まず、都市圏の立ち位置から。下記のグラフの通り、現段階で世界最大の都市圏は人口3500人を擁する東京首都圏で、$1,400 Billionを誇ります。世界で200番目のDes Moines(アイオワ州)、Hamilton(カナダ)等は$40 Billion以下で35倍程度のGDP規模の差があるのをご理解ください。
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* 2008年の世界都市圏GDP推計はこちらの記事を参照ください。

次に、一人あたりGDP比較です。トップは保険関係大企業の多くが本社を置くHartford(コネチカット州)$75,086、2位は石油景気に湧くOslo(ノルウェー)$74,057、3位はシリコンバレーの位置するSan Jose(カリフォルニア州)$68,141です。4位以降は4)Abu Dhabi、5)Bridgeport(コネチカット州)、6)Zurich(スイス)、7)Washington DC、8)Stockholm、9)Boston、10)San Franciscoと北米を中心とした先進国の「学歴の高い都市」が中心です。

しかしながら下位のMumbai(インド)やCairo(エジプト)は$2000程度で、一人あたりGDP上位の都市圏と比べると35倍の差があります。198位以降は、Alexandria(エジプト)、197)Colombo(スリランカ)、196)Chongqing(重慶)、195)Casablanca(モロッコ)、194)Jakarta(インドネシア)、193)Manila(マニラ)、192)Xi'an(西安)、191)Bogota(コロンビア)ですい。Bogotaの一人あたりGDPは$6950で、上位都市圏といまだ10倍くらいの開きがあります。
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ここから本題にはいります。まず、所得と雇用が上昇度のトップはShanghaiで、所得は9.8%、雇用は5.8%上昇しました。ランキング的には1)Shanghai(中国)、2)Ryadh(サウジアラビア)、3)Jiddah(サウジ)、4)Izmir(トルコ)、5)Hangzhou(杭州)、6)Ankara(トルコ)、7)Istanbul(トルコ)、8)Shenzhen(深セン)、9)Santiago(チリ)、10)Shenyang(瀋陽)で、中国、トルコ、チリ等の新興国と石油景気に湧く中近東大都市圏の躍進が目立ちますね。

逆に経済が停滞している都市圏は、200)Athens(ギリシャ)、199)Lisbon(ポルトガル)、198)Dublin(アイルランド)、197)Seville(スペイン)、196)Sacramento(カリフォルニア州)、195)Madrid(スペイン)、194)Naples(イタリア)、193)Barcelona、192)Valencia(スペイン)、191)Richmond(バージニア州)で、こちらは先進国大都市(特に欧PIIGS!)目立ちますね。

日本の大都市圏だと、仙台、大阪・神戸、京都、広島が180位台なので、ヨーロッパのPIIGS地域よりも「若干」マシしだった、という話なんでしょう。
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*  世界200大都市圏の都市毎の詳細はこちらからどうぞ。

そして、地域・経済タイプ毎の平均ランクは、アジア新興国29位、アジア先進国106位、東ヨーロッパ・中央アジア新興国48位、ラテンアメリカ36位、中近東90位、北米先進国117位、西ヨーロッパの127位となり、新興国景気の景気の良さが伺えます。
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こちらは、国は地域に比べ経済成長が好調な都市圏リストです。

収入の上昇で好調な都市圏トップは北米ではヒューストンで米国の0.9%に比べ、5.5%で伸び率の差は4.7ポイントになります。それ以降は2)Shenyang(瀋陽)、3)Riyadh、4)Buffalo(ニューヨーク州)、5)Dallas、6)Rochester(ニューヨーク州)、7)Jiddah、8)Stuttgart(ドイツ)、9)Detroit、10)New Yorkと続きます。米国での都市圏間景況感の違いが明らかですね。

国と比較して所得の伸びが低い都市圏は、197)Beijing(北京)、196)New Orleans、195)Perth、193)Almaty、192)Brisbane、191)Hangzhou、190)Hamburg、189)Dubai、188)Kuala Lumpurとなります。
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最後のチャートは、都市圏別2010~2011年と2009~2010年伸び率の差のリストです。

所得伸び面でこの一年間の上昇率アップが激しかったのは、Abu Dhabi、Houston、Riyadh、Jiddah、Bucharest、Shanghai、Zurich、Edomontonと言ったエリアです。逆に所得の伸びで失速したのはSingapore、Chongqing、Tianjin、Taichung、Perth、Nagoya(名古屋)、Manila等です。これが景気後退に陥るようなものなのか、過熱がソフトランディングかは注視する必要がありそうです。
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世界の都市圏のGDP規模、一人あたりGDP、所得や雇用の成長率の分析でした。不動産投資先の選択にお使いください。

では、Happy Investing!!!


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