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Channel: アメリカ/米国不動産投資日記
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円安政策に想う、、、日本は実は内需大国?

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先日の衆院戦の自民党圧勝で、安倍さんの経済政策の柱である「円安」がじわじわ進んでますね。一般的には「強い通貨は国力」という見方なので、政府として通貨安を勧めるのには、個人的にかなりの違和感を持っています。しかしながら、日本国民には「日本は輸出立国」とDNAに刷り込まれているようで、大枠、円安に賛同される方が多いようです。

では、世界的に日本はどの位輸出立国なのか、数値で分析してみましょう。

こちらは世界銀行の各国のGDPに対する輸出比率のデータです。http://bit.ly/Vp0ZVw 主要国(地域)のデータは、香港225%>シンガ209%>韓56%>独50%>中31%>加31%>伊29%>仏27%>ギ25%>豪21%>日15%>米14%となっており、日本は先進国の中ではアメリカと並ぶ内需大国なのが明白ですね。輸出の経済寄与度は15%程度なので、あながち、「円安で大多数の日本人は輸入物価の上昇で生活が苦しくなり、格差をより一層広げる」という論説にも現実味が増しますね。

韓国も新大統領が誕生し「ウォン安政策が最大課題」等と言われていますが、GDP比の輸出比率が56%に達しているので、非常に納得です。ドイツもなんだかんだ言って、共通通貨ユーロ維持に努めているのも、輸出比率50%と高く、伊29%>仏27%等より輸出寄与度が高く、統一通貨維持のメリットが非常に大きいからでしょうね。

次は、2003年からの輸出比率推移データをチェックしてみましょう。日本の場合、小泉政権下の円安時で輸出比率を18%まで高めていました。小泉政権といえば、いわゆる「新自由主義」の市場経済を推し進めてきた時期で、「格差拡大が加速した」とも言われる時期です。このように円安政策は、輸出比率を高める貢献はするかもしれませんが、格差の拡大は加速するんでしょうね。

ここで注目したいのが、2007年から2008年にかけた韓国の輸出ドライブです。ウォン安を利用し輸出比率を42%→53%に一気に高めました。インフレ率も07年2.54%→08年4.70%→09年2.80%→10年2.93%とかなり上がったので、日本も円安=インフレ期待できるかも知れませんねwww

中国のデータも興味深いです。中国で輸出比率が最大化したのは2006年の40%で2009年には28%まで下落しています。その間も中国経済は急成長を続けてきたのですが、背景としては何気に輸出経済から、内需+国内投資経済に移行したという事なんでしょうね。
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あと考慮するところとしては、日本は震災以降、液化ガスの輸入などが急増し、貿易収支は赤字基調という点でしょうか?円安で輸出が増えても、貿易赤字が続くようだと、元の木阿弥ですからね。

貿易収支の推移(最新)時事通信  http://bit.ly/TQo6xe 
貿易赤字定着リスクをどうみるか みずほ総合研究所 http://bit.ly/VMHGV6
日本の将来を占う分岐点 経常収支赤字は2019年? http://bit.ly/TQpjof

下記は、アジア各国の一般工の米ドル建て月額賃金の比較です。トップは名古屋の$3804で、プノンペンやヤンゴンは$100以下です。これは、円高云々の話ではないですよね。 http://t.co/AWOa6qXi 円高が進んでも、付加価値の高い製造業しか日本には残れないでしょうし、残ったとしても新興国の低給与労働者との競争で給与レベルは下がり続けるでしょう。

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以上、円安と輸出についての考察でした。それでも、やはり円安希望ですか?

では、ではHappy Investing!!!

P.S. アメリカへ製造業は復活するか?という議題で、過去に以下の書き込みをしましたので、参考ください。 http://bit.ly/wOiGvn


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