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Channel: アメリカ/米国不動産投資日記
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パリ同時多発テロとブランディングの関係とは?

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パリ同時多発テロは、世界的に大きな話題となっていますが、それと同時に下記のような、「テロは色々な都市で起きているのに、なんでパリだけ哀悼を寄せるのか」という批判も起きています。

- 代弁されず報道されず死んでいく人たちのこと | Taejun http://nzzl.us/AelfJeE  
- パリとベイルート、2つのテロが浮き彫りにした偏向に失望感 CNN http://bit.ly/1Yh3LOL
- パリだけじゃない...報道されてない海外の重要ニュース - NAVER まとめ http://bit.ly/1OR7EIH

ここでちょっと不謹慎ではありますが、これらの事象をマーケティング観点から分析してみましょう(僕は不動産投資家として独立する前は、多国籍企業でバリバリのマーケターですた)。

下記は、テロの危険度の世界地図ですが、フランスはの危険度がさほど高いわけではありません。
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実際、2013年のテロに死者の80%は、イラク、アフガニスタン、パキスタン、ナイジェリア、シリアの5カ国で起こっています。
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都市別にみても、テロの危険度が高い10大都市は、以下の中東の都市です。世界3大都市では、NYCが1300都市中396位、ロンドンは400位、パリは97位となっています。 http://dailym.ai/1kTUwFF
イメージ 3
では、「何故パリなの?」という質問には、下記のCityLabの記事が非常に参考になると思います。

西側の市民はパリには哀悼にを示すが、何故ベイルートはスルーなのか?CityLab http://bit.ly/1l3TYNs  

パリテロの前日にレバノンのベイルートで40人が死亡する自爆テロが、あったのですが西側メディア・市民はほぼスルーでした。パリがこれだけ話題になった最大の理由は、「パリは観光やビジネス面で世界トップクラスのセクシーな都市だから。」という点につきます。別の表現すると、パリは世界で最もブランド力のある都市、ということです。

下記は、英ガーディアン紙の世界都市ブランド力ランキングのチャートです。縦軸が資産・経済力、横軸はBuzzすなわち話題度(知名度)の高さです。右上のピンクのサークルが、話題度も経済力もダントツな都市で、1位ロス・アンジェルス、2位ニューヨーク、3位ロンドン、4位パリとなります(東京は28位で、北京と上海と同様に経済力はあるけど、話題度が低い)。

イメージ 4

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よって、テロリスト側からすると、最大のPRインパクトを上げるためには、上記の都市を攻撃するのがマーケティング戦略上正しいという事になりますね。

次のポイントとしては、ソーシャルメディアの進化による、英語圏のグローバル化があげられるでしょう。下記は、Facebook発表のサイト上の友人繋がりですが、中東、ロシア、中国はすっぽり抜けてますが、アメリカ、ヨーロッパでは友人繋がりが国境をまたいでシームレスになっている点を確認できると思います。今時のヨーロッパの40歳以下のホワイトカラー層は間違いなく英語を話しますので、西側英語圏はある意味、ソーシャルメディアで一体化していると言っても過言でないと思います。

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よって、テロリストは、経済も話題度も高い都市に攻撃し(=パリ)、ソーシャルメディアで一気にニュースを広げる、というマーケティング的な考えも持っていたのかもしれませんね(結果論かもしれませんが)。

以上、パリ同時多発テロを受けて、グローバル都市のブランド力という観点から、分析してみました。不動産の価値も、ブランド力の高いロス・アンジェルス、ニューヨーク、ロンドン、パリでは、非常に高いのも、偶然ではないと思います。

では、Happy Investing!!!

P.S. 世界都市の分析は、いろいろな研究機関が発表していますので、下記のブログ記事もチェックください(ちと古いですが)。経済力的にはNY、ロンドン、パリ、東京の4都市に、シンガポール・香港が急接近という感じでしょうかね。

グローバル都市分析のまとめ アメリカ/米国不動産投資日記 http://bit.ly/hP9vEg

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