米シンクタンクのBrookings Instituteが米国各都市圏と国外との繋がりを分析した、非常にありがたいレポートを発表しました。
Global Gateways: International Aviation in Metropolitan America http://bit.ly/TYqFL2
グローバル化が進む中、世界の都市圏の間の訪問者の流れは、都市圏の経済や人的財産を高度化する上で非常に重要と考えています。また、経済的に魅了的な都市には人が世界中から集まるというのも事実です。
重要なポイントは以下の通りです:
1990年→2011年で国際旅客数は倍増。人口増加や経済成長より急速な伸び。
新興国との旅客数は03年より40%増加。地域別だと西欧とラテンアメリカの合計シェアが60%超。
米国への出入国に占める上位5都市圏シェアは38.5%、上位10都市圏シェアは60.5%(人口的には17.3%・26.1%足らず)。上位17都市圏の空港シェアが出入国の97%。国際線のあるゲートウェイ都市の経済進展が加速する背景。
米国との旅客数の2003年→2011年伸び率地図。ブラジル、中国、韓国、アフリカ諸国との旅客数が130%以上の伸び。日英の「同盟国」との旅客数は減少。
米都市圏別国際旅客数は、アトランタ617万人>NY576万人>マイアミ503万人>シカゴ453万人>ニューストン399万人>ダラス289万人>LA278万人>シャーロット215万人>ワシントンDC206万人>フェニックス202万人>デトロイト172万人>サンフランシスコ161万人>ミネアポリス111万人>フェニックス107万人>シアトル78万人>デンバー77万人>ホノルル47万人。
興味深いのは、当たり前ではありますが、NY、DC、フィラデルフィア、シカゴは西欧と、アトランタ、ヒューストン、ダラス、シャーロット、フェニックスなどはラテンアメリカと、LA、SF、ホノルルはアジアと、デトロイト、シアトル等はカナダとの繋がりが強い点ですね。
米国との搭乗者数の多い国外都市圏は、ロンドン925万人>トロント690万人>カンクン487万人>東京406万人>メキシコシティ391万人>ソウル367万人>パリ366万人>バンクーバー314万人>モントリオール260万人>フランクフルト242万人。東アジアの米国向けハブとして、ソウルが急速に東京を追い上げている(03年→11年旅客人数166%アップ)のが韓国の勢いを感じます。
米国行きの乗り継ぎ客が多い都市圏は、ロンドン534万人>フランクフルト364万人>東京304万人>パリ278万人>アムス270万人>トロント169万人>ソウル165万人>ドバイ119万人>ミュンヘン113万人>香港108万人>台北93万人>マドリッド91万人。東京(成田)の乗り継ぎシェアが3/4を占めるのは驚きの数字=成田の北米との戦略的位置づけ。
米国と海外を結ぶ主要ルート、NY-ロンドン245万人>ホノルル-東京>NY-トロント>NY-パリ>NY-テルアビブ>NY-サントドミンゴ>LA-ソウル>LA-ロンドン>オーランド-ロンドン>マイアミ-トロント等。日本と米国との繋がりはホノルル>LA>NYの順なんですねw NY-テルアビブ等もとっても納得です。
仁川開港にあわせ韓国が力をつけたのがよく分かる数字⇒東京とソウル、北米への旅客数比較 至LA:ソウル77万人(+150%)>東京60万人(-2%)。至NY:ソウル65万人(+205%)>東京45万人(-7%)。至ホノルル:東京144万人(+34%)>ソウル40万人(+307%)。
以上、不動産投資する上で国外との繋がりが深いハブ空港を持つGateway都市は、海外からの投資対象として最初に名前が上がります。また、各都市ごとに、繋がりの深い国は都市が違うのも、その都市の特性を理解するのに役立ちますね。
では、Happy Investing!!!