米商業不動産売買の最王手のMarcus Millichap社が2013年のアパート投資の市況予測レポートを発表しました。都市圏ランキングは賛否両論ありますが、都市圏別に非常に有用な統計を押さえていますので、米不動産投資に興味がある方にはおすすめです。
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National Apartment Report MarcusMillichap 2013 http://bit.ly/Ytvls8
全体的な方向性は以下の通りです。持ち家から賃貸への大きな人口シフトや、景気の改善に伴い、アパート市場は4年目の拡大をエンジョイする事になります。
アメリカ経済
- 財政問題についての議会の行き詰まりは、米国の景気回復を損ない、景気後退へのリスクが高まるが、増税と歳出削減出現を統合決議を前提とすると、経済的には成長が続く。
- 増税で消費者の可処分所得は圧迫され、連邦政府の支出削減はGDPの足かせになります。しかし、不動産市況の改善に伴う住宅投資の堅調な増加は、国際貿易とGDP年率2%成長をサポートします。
- 米国は金融危機前のピーク雇用時より失われた職の約半分450万職を回復しました。約2013年には210万職の増加で、失業率は7.7%までの下落が予測されています。
アパート市況
- 人口動態や経済動向が着々と改善しているので、アパート・集合住宅市場は4年目の拡大を続けます。
- 4.0から5.0%の家賃が上昇し、その結果、空室率は2013年末までに4.3%に下落すると予測されています。しかし、2013年には約15万戸の新規供給が予測されており、オースチン、シャーロット、ヒューストン等の市場において、一時的な需要と供給の不均衡を作成することがあります。
- 「Generation Y」もしくは「エコーブーマー」とよばれる世代の最年長者は、28歳に到達し、今後2年間でかなりの世帯数増加に寄与します。そして、2017年までに、毎年120万から160百万人の移民の到着が、世帯数の増加をサポートします。
資本市場
- 東西海岸のゲートウェイ市場における、今後の価値の上昇は、NOI(Net Operating Income=経費支払後の収入)の増加から主に派生し、二次、三次市場への投資の勢いに拍車をかけます。
- 10年物米国債が低利率なので、より一層の資金が不動産市場に流れ込むのが予想されます。
- ローンの審査はますます積極的になると予想されますが、投資を評価する際に、貸し手は、物件価値ではなく、継続してキャッシュフローに焦点を当てます。
アパート投資見通し
- アパート市況の多くの都市圏での改善で、コア都市圏を以外の都市圏に投資家を駆動します。CMBS(商業不動産担保証券)の市場の復活が、高い利回りの都市圏における資金獲得のための重要なソースになります。
- 巨大な一戸建てと集合住宅市場のダイナミクスと出口戦略をしっかりと理解は、リスクの高い第二級および第三級都市圏への投資のために特に重要です。
- 二級市場でのクラスAとクラスB/ Cの資産のキャップレート(ネット利回)り低下は、投資ファンダメンタルズが持続可能であることを示している。
44都市圏のランキングは以下の通りです。2012年から継続して、新規供給が限定され、テクノロジーが強い東西海外のゲートウェイ都市が上位にランクされていますね。ゲートウェイ都市を好景気ですが新規供給が多いテキサスの都市圏が追いかけるという形でしょうか?
最後に、上記44都市圏の経済指標推移のチャートを添付しておきます。投資判断の非常に有用です!