僕はアメリカの暮らし始めて延べ16年になりますが、在米日本人とよく話題になるのが、アメリカの顧客サービスの酷さです。日本の懇切丁寧なマクドナルドの接客に慣れた人が、米マクドナルドで「ネークスト(次の人)!」とモノ扱いされた日には、かなりショックを受けることでしょう。また、従業員もいかにも、「最低賃金で働いてるので、最低限のサービスしかしませんよ」感がありありなのもぶったまげます。
しかしながら、アメリカの顧客サービスが本当に最低か?と聞かれるとそうでもなくて、しっかりお金を払ってくれる重要な客には、手取り足取りのサービスを提供するという側面もあります。下記は先日のツイートですが、アメリカ流の顧客のレベルの応じたサービスの台頭は、意外と世界を席巻するのではないと思っています。
アップル 驚異のエクスペリエンス ―顧客を大ファンに変える「アップルストア」の法則 http://amzn.to/WNH4q0 アップルストアも凄いけど、アマゾン/Zapposとか、Fitbitとか顧客対応が「神」の企業が増えているのは嬉しい限り。
アメリカ流の顧客のレベルの応じたサービスの充実ぶりを、最近実感する機会が多いのは、ビッグデータやらO2Oやらで、顧客の購入履歴や頻度等のデータの分析が進み、会社側がで顧客の「格付け」進んだからでしょうね。また、顧客サービスを相当自動化・ウエブ化したので、上位顧客には真っ当に対処する余力が出来たのだとも思います。最近の出来事だと、以下の様な神対応経験がありました。
- アップルストアに2年落ちのマックブックエアを修理に出したところ、店頭での修理は不可なのでRepair Centerに送付。翌日、「水をこぼしたからダメージによる、ディスプレイやキーボードパネルの取替えなので、$435の修繕費承認お願いします」とのメールが届く。Repair Centerに電話して、マネージャーにApple IDを伝え、過去のアップル製品購入履歴を説明したところ、修繕はすべて無料に。翌日、マックブックエアはピカピカになって、届けられた。
- 1年以上前に、米アマゾンから購入したモバイルバッテリーの充電量が落ち、製造側にコンタクトしても、なしのつぶて。米アマゾンに、コンタクトした所、直ぐに製品返送の手続きを取ってくれ、製品返品完了時にストアクレジットが発行された。
- ワイアレスアクティビティトラッカー(電子歩行計)のFitbit 。この製品を昨年購入してから、最初は洗濯してしまい動かなくなり、2台目は道路で車にひかれて逝ってしまうという不幸がありました。しかしながら、2回とも、Fitbit社より無償で新品送付してもらってます。
- 先日、ワシントンDCに、出張に行った時ですが、帰りのユナイテッド航空の飛行機が、機材の不良で4時間遅延。SFに到着すると、お詫びに次回のチケット代へ$200クレジットの提示。「僕はユナイテッドの上級1K会員で、以前、4時間遅れの時は$350のクレジットだったよ」とメールすると、直ぐに$350のクレジット確認のメールが届く。
このように、マクドナルドやウォールマートのような、低所得者向けの店舗の店頭レベルでの顧客サービス向上は考えられないと思いますが、ビッグデータやO2Oのより一層の進展で、顧客格付けとそのレベルに応じた顧客サービスの提供は、確実に進展すると実感しましたね。
自動化・無人化が進むアメリカのサービス業に比べ、日本のサービス業の労働生産性水準は、卸小売で米の42.4%、飲食宿泊で37.8%。物流で48%とかなり低くなっていますが、顧客の格付けと、それに応じたサービスの提供は、重要な課題ではないかと思ってます。
では、You Get What You Pay For!!!