昨日、Facebookでジャーナリストの佐々木さんが、下記のようなコメントしておりました。
「東横線沿線のスタバは午後遅めになってくると高校生だらけで、このあたりの高校生って豊かなんだね……とちょっと思う。」「東横線沿線の若者をみていると、その身なりの良さとか美人イケメン度などに、なんか語ってはいけないような格差社会の現実を感じます。」「このへんの高校生は普通にスタバで勉強してるようですね。いっとき同じスタバに集中して通ってたこともあったのですが、毎日来て毎日飲み物+スイーツで勉強している女の子もよくみました。毎日1000円ぐらい使ってるんじゃないかな。」「もうね、身も蓋もない格差社会ですよ。5~6年前に「東大女子学生の3割は美人」っていう身も蓋もない記事がAERAに載ったことがあったけど、そのまんまです。」
確かに日本だと、この手の格差の話ってタブーっぽいのですが、アメリカのように、学歴、所得、資産等で、棲み分けが確実に進んでいます。その辺を検証してみようと思います。
まず、沿線別の所得と資産をチェックてみましょう。こちらは、野村総合研究所が08年に行った調査です。
まず、1世帯当たりの所得(表1)では京王井の頭線709万円を筆頭に、東急東横線700万円、東急目黒線689万円、東急田園都市線688万円、小田急小田原線678円という順番となり、いわゆる「城南地区」の所得の高さが際立ちます。トップの井の頭線は都内の短距離路線なので、実質的には中距離路線以上では、佐々木さんの住む東横沿線上が一番世帯所得が高い路線になりますね。小田急小田原線は小田原まで続く、かなりの長距離路線なのに、これだけ年収が高いのは意外と侮れませんね。
次に、1世帯当たりの金融資産(表2)では、所得と同様に京王井の頭線がトップ(3321万円)となり、その後に東急大井町線(3242万円)、東急池上線(3221万円)、東急目黒線(3217万円)、京王線(3136万円)と続きました。所得のランキングと違い、どちらかというと下町の大井町線、池上線、目黒線が上位に入っているのは、1)資産が少ない一人暮らし世帯比率が低いと、2)親から受け継いだ昔からの世帯が多い(=借金が少ない)でしょうね。サラリーマン憧れで、かなり無理してマイホームを購入する層の多い田園都市線は、トップ10にも入っていません。

次に、関東の区や市町村別の短大卒以上比率をみてみましょう。貴志原さんがブログで2005年の国勢調査に基づく数値をまとめているので、紹介します。 学歴偏差値の高い市区町村は以下の通りです;1位横浜市青葉区58.8%、2位武蔵野市 54.6%、3位川崎市麻生区53.1%、4位小金井市52.3%、5位国分寺市51.4%、6位世田谷区 51.2%、7位目黒区 50.8%、8位文京区50.6%、9位鎌倉市50.6%、10位杉並区 50.3%で、中央線、東横線、田園都市線、小田急線沿線はやはり高学歴ですね。

東京都の市区町村の私立中学進学率をみても、千代田区46%、中央区40%、文京区40%、港区37%、渋谷区32%についで、目黒区31%、世田谷区30%と、東横沿線の教育熱心さを感じさせます。

また、下記の通り性比が低い(=女性が多い)港、渋谷、目黒、世田谷区は、高学歴者比率(短大以上の卒業者の割合)も所得水準(1人あたりの平均所得額)も、はっきりと高い。

*出展:週間ダイアモンドhttp://diamond.jp/articles/-/20931
このようにつらつら、データを提示してきましたが、これって結構重要な、格差の広がりを証明するデータだと思うんですよね。このままだと格差は確実に拡大しますから、不動産価格にも大きな影響を与えそうですね!
では、Happy Investing!!!
P.S. アメリカではこの数十年で、低所得層と高所得層の住み分けだかなり進みました:
- 収縮する米中間層 NYT t.co/EqWeMvE2 1970年→2007年に低中高所得地域に住む比率推移。低所得地域18%→31%、中所得地域65%→44%、高所得17%→25%。まさにComing Apartの指摘通りt.co/CQdUzt8r
- 日本も同じ傾向なんでしょうね⇒これはアメリカで1970年から2009年までに、相当所得と居住地域の階層化が進んだというレポート t.co/6wgrPn5b 1970年には低所得・高所得住宅地に住む世帯合計は15%足らずだったが、2007年には31%まで広がった。
- 健康格差!⇒米、低所得地域、低学歴地域、危険な地域、黒人の多い地域に住んでいる住民が体に何らかの「痛み」を感じている割合が高い 米論文 t.co/tYF0bQbF 別の調査では、大卒以上の歯医者通いは平均より65%高いが、ブルーカラー職は28%低い。